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ダイエットや健康診断の数値を気にして、「なるべく油は摂らないほうがいい」と避けている人も少なくないだろう。
しかし、脂質といってもその種類は幅広く、「体に良い油」もあれば、知らずに選んでしまっている「危険な油」もある。脂質=悪者という思い込みは、そろそろ手放すときだ。
今回は、一般社団法人ナチュラル&ミネラル食品アドバイザー協会理事で管理栄養士の佐藤麻里絵さんに、脂質の奥深い世界と、「油の罠」の見抜き方まで話を伺った。
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佐藤麻里絵さん●管理栄養士。一般社団法人ナチュラル&ミネラル食品アドバイザー協会理事。柔道での怪我をきっかけに柔道整復師の免許を取得し、整形外科で臨床経験を積んだのち管理栄養士に。自然食品や無添加デリの販売、栄養カウンセリング、パーソナルジム、接骨院がひとつになった複合施設『ラディエンス ソース』を運営中。プライベートは4児の母。『ラディエンス ソース』公式インスタグラム
「脂質」は悪者じゃない! 体に必要なワケ
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――脂質というと「太る」「健康に悪い」といったネガティブなイメージがありますが、実際はどんな役割があるのでしょうか?脂質は三大栄養素のひとつで、私たちの体にとって欠かせない存在です。主な役割は、大きく3つあります。
まず1つ目は、重要な「エネルギー源」であること。ご飯やパンなどの糖質もエネルギーになりますが、脂質は同じ量でも糖質の2倍以上のエネルギーを生み出します。特に、活動量が多いビジネスマンにとっては、効率的なエネルギー源として非常に重要です。
2つ目は、「細胞膜やホルモンの材料になる」こと。私たちの体は約60兆個もの細胞からできていますが、その細胞の一つひとつを包む細胞膜の主成分は、脂質なんです。男性ホルモンや女性ホルモンも脂質を材料として作られます。良質な脂質を摂ることは、細胞を健康に保ち、ホルモンバランスを整えることにも繋がります。
3つ目は、「ビタミンの吸収を助ける」こと。ビタミンA、D、E、Kといった脂溶性ビタミンは、脂質と一緒に摂ることで体内に吸収されます。これらのビタミンは、視力維持、骨の健康、抗酸化作用など、私たちの健康に重要な役割を担っていますので、脂質なくしては十分に機能しないんです。
――脂質を極端に控えすぎると、かえって不調の原因になる可能性も?はい。過度な脂質カットは、エネルギー不足やホルモンの乱れを招き、疲れやすくなったり、肌や髪がパサついたり、イライラしやすくなったりします。脂質を適切に摂ることは、健康維持に不可欠。具体的には、1日の脂質摂取目安量は総摂取カロリーの20〜30%。成人で40〜60グラムが目安です。
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