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「減塩」「塩分控えめ」……。健康を意識するようになった40代なら、こんな言葉に敏感になっている人も多いだろう。でも、ちょっと待った。塩って本当に「悪者」なのだろうか?
じつは、カギとなるのは「塩の質」にある。毎日のように口にするものだからこそ、どんな塩を選ぶかで体調にも大きな差が生まれるのだ。
今回は、一般社団法人ナチュラル&ミネラル食品アドバイザー協会理事の佐藤麻里絵さんに、知っているようで知らない“塩の真実”と“賢い選び方”について教えてもらった。
聞いたのはこの人!
佐藤麻里絵さん●管理栄養士。一般社団法人ナチュラル&ミネラル食品アドバイザー協会理事。 柔道での怪我をきっかけに柔道整復師の免許を取得し、整形外科で臨床経験を積んだのち管理栄養士に。自然食品や無添加デリの販売、栄養カウンセリング、ヘナ教室、パーソナルジム、接骨院がひとつになった複合施設『ラディエンス ソース』を運営中。プライベートは4児の母。公式インスタグラム:『ラディエンス ソース』
「精製塩」と「天然塩」って、どう違う? そもそも「塩」は悪者なの?

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――「塩分は控えるべき」というイメージが強いですが、実際のところはどうなんでしょうか?塩の主成分であるナトリウムは、人間にとって必要不可欠な栄養素です。体内の水分バランスを調整したり、神経の伝達をスムーズにしたり、筋肉の収縮を助けたりと、生命を維持するうえで重要な働きをしています。
――では、なぜ「塩は体に悪い」と言われるのでしょうか?もちろん「摂りすぎ」は問題です。過剰な塩分摂取は、高血圧やむくみ、腎臓への負担などのリスクが高まります。
でもじつは、もうひとつ重要な問題があるんです。それが「塩の質」。同じ塩でも、種類によって体への影響が変わってきます。多くの人がここを見落としているんですね。
――塩の“質”ですか? 具体的にはどういうことですか?塩は大きく「精製塩」と「天然塩」に分けられます。
一般的に「食塩」として売られている精製塩は、塩化ナトリウムの含有量が99.5%以上と高く、ミネラル分がほとんど含まれていません。素材の味を邪魔しにくく、価格も安価で手軽に使いやすいのですが、体に必要な他の栄養素がないんです。
一方、天然塩はナトリウムが90〜95%程度であることが多く、残りの5〜10%にマグネシウム、カリウム、カルシウムなどのミネラルが含まれています。これが、体に大きな差をもたらします。
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