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ポイント② 柱の耐震強度を高める

日本の古民家をリノベするときに、何よりも心配なのが耐震や強度ですよね。

三茶ハウスは、もともと壁に筋交いなどが何もなかったので、まず耐震のために筋交いを入れたり、床を一度すべてとって、業者に頼んで土間打ち(コンクリートを流すこと)をして補強をしました。シロアリがいたので、柱も取り替えて。

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キッチン奥の部屋の壁もすべて取り除き、全体で大きなリビングのような空間に作り変えました。これはデザインのためだけではなく、筋交いを入れて家の強度を高めたからなのです。

壁がないと家が弱くなると思われがちですが、筋交いの入っていない壁があるよりも、柱に筋交いを入れた方が強くなるそうです。自分でリノベしようと思っている方は、ぜひ覚えておいてくださいね。
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キッチン・ダイニングの基礎工事。

キッチン・ダイニングの基礎工事。基礎をやり直して補強を徹底的に行いました。


耐震のほかにも、雨漏りしそうな天井や和室の床の歪みなど、基礎的なところはもあったので直しています。もちろん土間打ちなど基礎的なところは素人にはできないので業者にお願いしました。DIYでもフルリフォームをするとなれば、この基礎の部分にはどうしても予算がかかってしまいますね。

ポイント③ サンライトが大事!2階を打ち抜きキッチンに光を

僕がリノベする際に一番大切にしているのがサンライト。自然光を最大限取り入れることです。

この三茶ハウスで気に入っている点は、ダイニングキッチンと2階の和室。僕にとってダイニングキッチンは人が集う場所。友達を呼んでパーティをしたり、家族で食卓を囲んだりする思い出を作る大切なスペース。つまり家の中心的存在なんです。



図面を描くときに、場所と方角を確認して光を入れる位置を考えますが、本当はキッチンの横(冷蔵庫がある側)に光を入れたかったんです。だけど、タイルの内側にも補強の筋交いを入れているので窓は作れない……となると2階にある窓の光を生かすしかないなと。それで2階にあった和室を丸々打ち抜きにしたんです。

手作業なのでかなりの労力と時間を費やしましたが、せっかくお金と時間をかけてリフォームするんだったら、カッコ良い家にしたいですからね。
 撮影日の雨だったが電気を消しても自然光が差し込み明るかった。

撮影日の雨だったが電気を消しても自然光が差し込み明るかった。


もしキッチンの横に窓ができていたら2階は抜いてなかったかもしれないですが、結果的にユニークで個性的な家に仕上がったので、これでよかったかも(笑)。

これは簡単ではないので慣れてない人におすすめはしませんが、僕は空き家のリノベをするときは窓の位置と自然光を取り入れることを考えてデザインしてます。
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