連載「業界人! スニーカーハンター」とは……スタイリストの平健一さんと、アトモスのディレクターを務める小島奉文さん。実は同級生というこのふたりがナビゲーターする人気企画が、「業界人!スニーカーハンター」だ。
本企画の1周年を記念して集めたのは「ブラックスニーカー」。服と同様、近年ますます人気を高めている黒のスニーカーである。
ゲストにミタスニーカーズのクリエイティブディレクター・国井栄之さんを迎え、この春注目すべき黒のスニーカーを紹介。まずは国井さんがアシックス、ニューバランス、ナイキ、アディダス、そしてオンの新作にフォーカスを当てる。
昨今のスナップでも見かけることが多くなってきた、全身黒のコーディネイト。それに最も合う“黒スニ”は、やはり年中無休で用意しておいたほうが良さそうだ。
【メンバープロフィール】 | 平 健一 キャンプや山登りのエッセンスを取り入れたコーディネイトを得意とし、雑誌、ウェブ、広告まで幅広い分野で活躍するスタイリスト。グローブブランドのグリップスワニーや、山形県「五色温泉オートキャンプ場」のアドバイザーも務めている。instagram@runrun1980 |
| 小島 奉文 日本はもちろんタイ、インドネシア、マレーシア、フィリピンに店舗を構えるスニーカーショップ、「アトモス」のディレクター。アジアのみならずアメリカ、ヨーロッパなど世界のスニーカー事情に精通する。スタイリストの平さんとは文化服装学院時代の同級生。instagram@koji198139 |
| 国井栄之 東京・上野の老舗「ミタスニーカーズ」のクリエイティブディレクター。数々のブランドとのコラボレーション、別注、限定モデルを多数手掛ける、今のスニーカーシーンの最先端にいる人物のひとりだ。instagram@shigeyuki_kuni |
35周年を迎えたアシックスの注目モデル
平 連載『業界人! スニーカーハンター』も、おかげさまでついに1周年を迎えました。
小島 もう1年ですか。あっという間ですね。
平 その1周年を記念して、今回はスペシャルゲストをお招きしました。名店、ミタスニーカーズのクリエイティブディレクターを務める国井栄之さんです。
国井 よろしくお願いします。
平 僕たちの服を見てお察しかと思いますが、今回のテーマは黒です。黒いスニーカーがこれだけ集まると、さすがに迫力がありますね。
国井 ええ。では早速、持ってきた黒スニーカーを紹介していきましょう。1足目はアシックスの「ゲルライト3」です。
昨年から、ミタスニーカーズではなく個人として、アシックスで商品ディレクションをしています。アシックスがY2K(2000年代初頭のスタイル)のトレンド軸で語られることが多い中で、それ以外のアーカイブもきちんと伝えようということになり、このスニーカーを作りました。
小島 「ゲルライト3」は今年、いわゆる周年モデルですよね。初登場は確か1990年。
国井 そう、90年なので35周年ですね。実は、オリジナルは日本未発売なんです。北米市場に向けて開発、販売していたモデルなので。
平 シュータンの仕上げが面白いですね。
小島 本来は切れ込みが入ったスプリットタンですが、ジッパーになっています。
国井 止水ジップを使っています。スプリットタンを開閉できるようにして、(開いたときには)スリッポン感覚で履けるようになっています。そして、今回はゴアテックスを搭載しています。
ずっと以前に、ミタスニーカーズとのコラボで「ゲルライト3」や「ゲルマイ」を出したことがあって。今回の「ゲルライト3」を含む一連のシリーズは、セルフサンプリングのような形で作ったんです。
小島 インソールも面白い。国井さんがディレクションするモデルにはたいていこの柄が入ってますよね。
国井 そうです。ミタスニーカーズの店舗のインテリアは金網が基調なので。
小島 でもミタスニーカーズのロゴは入っていない。国井さん個人のディレクションですからね。
国井 ミタスニーカーズのコラボレーションだと、やっぱり販売店はミタスニーカーズだけとか、グローバルだけとかなんですけど、今回は“みんなで売りたい”と思って。アトモスさんを始め、他のショップさんでも取り扱いいただいています。
平 平 アッパーはデュラバックとメッシュ、ゴアテックスのコンビネーション。パイピング部分がリフレクターになっていますね。
国井 アッパーは黒のワントーンに見えるんですけど、素材が違うので、光の当たり方で見え方もまた変わったり。
平 いつ発売ですか?
国井 4月上旬を予定しています。
小島 国井さん、今年は「ゲルライト3」推しですか?
国井 実はそんなこともなくて(笑)。確かに「ゲルライト3」は周年モデルなんですが、インラインがたくさん用意されている(生産されている)というわけでもない。ただ今年は、世界中からいろんな発信の予定があるモデルではあります。
平 このモデルは、国井さんが関わる今年の「ゲルライト3」の第一弾、という位置付けですか?
国井 いや、実はこのモデルは、去年出てるはずのものが遅れただけなんです(笑)。今年は個性あるクリエイターたちが、現代的な解釈で多くの「ゲルライト3」を出してくるはず。なので、その応用の前に基本を去年やっておこうという予定だったんですが……遅れてしまって。
小島 私もアシックスの展示会には出席しましたが、確かにインラインで「ゲルライト3」は出ていなかったですね。ただ、こんなふうにコラボや限定で出してくる、っていう話は聞いています。
平 この国井さんの「ゲルライト3」は、メディア初出しですか?
国井 そうです。今日、初めて出しました。
平 ありがとうございます。オーシャンズwebをご覧のみなさん、ぜひ注目を!
2/5