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「引退」と「復活」、そしてビジネス帝国を築く


2003年、Jay-Zは『The Black Album』をもって「引退」を宣言。
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当時の音楽界には衝撃が走ったが、その背景には、それまでに発表したアルバムのほとんどが全米ビルボードチャート1位を記録するなど、アーティストとしてのキャリアがすでに頂点に達していたことがある。

しかし、2年後にはあっさりとカムバックを果たす。引退宣言の裏には、アーティストとしてのキャリアからビジネスパーソンへのシフトという構想があった。

2004年には、名門レーベル「Def Jam」の社長に就任し、自らの作品だけでなく、RihannaやNe-Yo、Jeezyといった新世代スターを発掘・育成した。その後もビジネスの手は広がり、現在までにJay-Zが関与・所有してきた企業は以下のように多岐にわたる。
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・Roc Nation(総合エンタメ企業/マネジメント・音楽出版・スポーツ代理など)
・TIDAL(音楽ストリーミングサービス/2021年に一部株式をJack DorseyのSquareへ売却)
・Armand de Brignac(通称:Ace of Spades、シャンパンブランド)
・D’Ussé(コニャックブランド)
・40/40 Club(高級スポーツバー)
・Monogram(プレミアム大麻ブランド)

これらの成功により、Jay-Zは2019年にヒップホップ史上初の「純資産10億ドル超えアーティスト」となり、まさにビジネスの帝王の座に君臨する大物になったのである。
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