連載「実録、空き家改造計画」とは……リノベ大好きスウェーデン人モデルのアントンさん。その腕前はもはやDIYの枠を超越。日本の空き家を購入し、自分の手作業で次々とフルリノベーションしている。
中古物件を選ぶ際のポイントを紹介した
前回に引き続き、今回はアントンさんが手に入れた中古物件の金額や購入経緯を語ってもらった。
【写真11点】「気になる空き家購入のお金周り」を写真でチェック 案内人はこの方!
アントン・ウォールマン●1992年生まれ、ストックホルム出身。19歳の頃からファッションモデルとして世界をまたにかけて活躍。数回の来日を経て、2019年より日本に移住。日本の空き家を自らの手でリノベーション、セルフビルドした様子をYouTubeでも配信し、2023年、『FREE HOUSES IN JAPAN』を自費出版している。Instagram:@anton.injapan
空き家改造で気になるお金事情は?
こんにちはアントン・ウォールマンです。今回は僕がこれまでに購入した物件の金額やリフォーム費用について赤裸々にお話ししたいと思います。
以前もお伝えしたとおり、僕が現在住んでいる三軒茶屋は、自転車で渋谷にも行ける都会でありながら、昔ながらのお店やローカル感が楽しめる魅力的な街。
三軒茶屋駅周辺で普通に新築の戸建を購入するとなれば、広さや立地にもよりますが、現在では8000万から1億円を超えることも少なくないようです。
写真はすべて2024年夏に手掛けた築50年超えの中野の物件にて。
しかしその一方で、日本には空き家が900万戸、世田谷区だけでも実は5万戸もあるんです。はじめは単に自分で住むつもりで古民家を購入してましたが、空き家なら立地の良い物件でも格安で購入できると知りました。
これまでにトータルで4軒を購入してリフォームを終えて完成してます。それぞれ物件の大きさなどは異なりますが、都内で2000万円を超えるものはないですね。
[これまでに購入・改造した物件]
① 中古マンション@三軒茶屋
物件:築30年、2LDK 購入費用:1400万円 改装費:150万円
② 古民家@三軒茶屋
物件:築90年ほど、5LDK 購入費用:2000万円 改装費:200万円
③ 古民家@三軒茶屋
物件:築90年ほど、5LDK 購入費用:1000万円 改装費:800万円
④ 古民家@中野
物件:築53年、2LDK 購入費用:1700万円 改装費:700万円
築90年の空き家を購入するなんて日本人には考えられないかもしれませんが、②③の三軒茶屋の物件なんて駅からも近いし、広くて日当たりもいい。僕がかつて住んでいたスウェーデンの実家は築120年で、改装しながら住んでいたし、三茶の家もボロボロだったけど、補強して直せないところはないんじゃないかと思いましたね。改装しがいがある方がやりがいもありますし(笑)。

ただ、空き家物件の多くは、もとのオーナーが暮らしていたときの物がそのまま残っている状態のことも多いので……まずは物を運んで処分するところからスタート。これが結構大変です。
ちなみに③の物件のリノベ費用が800万円と一番高いのはシロアリがいたからです。柱も全部取り替えたのでかなり大変でしたけど、苦労した分思い入れも強くて、満足度も高い家になりましたね。
中野の物件では勝手口だった扉を取り払って、代わりに洗面台を設置。
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