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2025.03.14

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マッシも驚いた「母国イタリアの寿司ブーム」。約2人に1人が月2〜3回は寿司を食べる!?



「イタリア人マッシのブオーノ・ニッポン!」とは……

コロナ禍を経て、最近6年ぶりに故郷イタリアに里帰りしたマッシさん。日本で美味しい魚や日本食を食べて暮らしている間に、イタリアでも日本食、特に寿司が想像以上に定着していたという。

今回は海を越えてイタリアから、日本の寿司人気を現地レポート!
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【写真12点】「マッシも驚くイタリアの寿司事情」を写真でチェック
案内人はこの方!
マッシミリアーノ・スガイ●1983年生まれ、日本食が大好きなイタリア人フードライター。 KADOKAWAよりフードエッセイ『イタリア人マッシがぶっとんだ、日本の神グルメ』を出版。日伊文化の違いの面白さ、日本食の魅力、食の美味しいアレンジなどをイタリア人の目線で発信中。

マッシミリアーノ・スガイ●1983年生まれ、日本食が大好きなイタリア人フードライター。 KADOKAWAよりフードエッセイ『イタリア人マッシがぶっとんだ、日本の神グルメ』を出版。日伊文化の違いの面白さ、日本食の魅力、食の美味しいアレンジなどをイタリア人の目線で発信中。

イタリアでも人気の寿司。その実態は……?

僕は海のない北イタリアのピエモンテで生まれ、現在は寿司と魚料理が世界トップクラスといわれる石川県に住んでいる。そして今回、6年ぶりにイタリアへ一時帰国することになった。

金沢で週に数回寿司を食べ、スーパーでも刺身や新鮮な魚をよく買って調理しているうちに、魚へのこだわりが無意識に高まってきた気がする。

イタリアに滞在していると、食べ放題の寿司店や日本食風のレストラン、スーパーの寿司コーナーなど、日本食の多さに驚かされる。イタリアでは寿司が流行っていると聞いていたけど、ここまで人気だとは思わなかった。

マッシの故郷、北イタリア・ピエモンテの街の様子。

マッシの故郷、北イタリア・ピエモンテの街の様子。


都会に限らず、小さな村でも日本語の看板を見かけることも珍しくはない。例えば、人口3万人弱の僕の故郷ピエモンテでも、「にゃんこ」「さくら」「もみじ」「みやび」といった日本語のお店がある。これらは、中国人かイタリア人が経営しているようだ。 

イタリアに戻って驚いたのは、多くのイタリア人は寿司へのこだわりがまだ薄く、現地の寿司店には中華まであること! ヌードルや春巻き、チャーハン、肉まんなども頼めるのだ。

イタリアの寿司店で食べられる“アジアン”なメニュー。

イタリアの寿司店で食べられる“アジアン”なメニュー。


現地の寿司店は食べ放題の店もあるが、15〜30ユーロ(当時のレートで2300〜4700円ほど)という安さで、すべてのメニューが好きなだけ食べられるのは日本では考えられない。「食べ放題」という魅力にイタリア人が弱いことが分かった。

金沢の寿司に慣れている僕が、イタリアの寿司店のメニューを見ると、サーモンや巻き寿司、揚げものなどのアレンジの多さに驚くだけでなく、マヨネーズや正体不明のソースが使われているのを見て、「寿司はどこにあるんだろう?」と思ってしまう。イタリアでは、「お米に生魚を乗せる=寿司」という感覚になりがちだとよく分かった。

エビにフライドオニオンやマヨネーズ、ソースがかかった、“スシ”(左)。

エビにフライドオニオンやマヨネーズ、ソースがかかった、イタリア仕様の“寿司”[左]。


しかも、日本人経営のお店やちゃんとした日本料理店に行かない限り、魚の種類はサーモンやマグロ、スズキ、エビ、カニカマがほとんど。タイガーロール、エンジェルロールといったネーミングの寿司もある。

面白いといえば面白いけど、まったく想像がつかない味と仕組みだ。イタリア人が好きな寿司は日本の寿司とは違うけど、それでも寿司文化が定着し、新しい形で楽しまれていることは伝わる。
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