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脂肪燃焼成分は、 牛肉の約3倍、豚肉の約9倍!

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――ラム肉は一昔前までそんなにメジャーではなかったと思うのですが、ここ数年で人気が高まってきたイメージがあります。なぜでしょう?

そうですね。ラム肉というとジンギスカンが有名ですが、北海道ではむしろ「ラムしゃぶ」が伝統的な家庭料理でした。それが時代とともに普及し、健康志向の高まりによって改めて注目されているのだと思います。

「ラムしゃぶ金の目」にも、筋トレ系のインフルエンサーやアスリートなど各界の著名人がご来店くださり、「太らないしゃぶしゃぶ」と絶賛してくださることもあります。

――具体的に、ラム肉の優れた点はどこにあるのでしょうか?
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ラム肉は高タンパク・低カロリーで、筋肉の維持・増強に役立つ良質なタンパク質を豊富に含んでいます。また、L-カルニチンという脂肪燃焼を促す成分が豊富に含まれ、食べたものの脂肪や体内に蓄積した脂肪の燃焼効果が高まり、エネルギーに変えてくれます。

つまりL-カルニチンが体内に豊富にあると、基礎代謝がUPし、太りにくく痩せやすい体質になるのです。

L-カルニチンを含む食材は主に肉類などですが、ラム肉は他の肉類と比べてもその含有量が特に高いのが特徴です。



その他にも、肌の健康を保ちアンチエンジングに欠かせないパントテン酸や、コレステロールを減少させる効果がある不飽和脂肪酸、鉄分や亜鉛、ビタミンB群といった栄養素がバランスよく含まれています。

――ミドル世代にとってうれしい栄養素が豊富ですね。

さらに、ラム肉の優れたポイントの一つに、脂肪の「融点」との関係があります。

具体的には、ラム肉の脂肪の融点はほかの肉類よりも高いため、人間の体温(約36〜37℃)では脂肪が溶けにくいのです。結果として、体内に吸収されずに排泄される可能性が高く、ほかの肉類と比べて脂肪が蓄積しにくいとされています。

◆各肉類の脂肪の融点
鶏肉(チキン):約30〜35℃(低い)
豚肉(ポーク):約38〜42℃(中程度)
牛肉(ビーフ):約40〜50℃(やや高い)
ラム肉(羊肉):約44〜55℃(最も高い)

さらに、ラム肉は痛風のリスクを減らす食材として注目されています。100gあたりのプリン体含有量は、ラム肉が約50〜80mg、鶏もも肉が約120mg、豚ロース肉が約110mg、牛肩ロース肉が約90mg。このように、ラム肉はプリン体の含有量がほかの肉類に比べて少ないため、健康診断で尿酸値が気になる方にもおすすめです。

――L-カルニチンの脂肪燃焼効果と融点の相乗効果があるとは! さらには痛風予防にも良いなんて、優秀すぎますね。

そうなんです! ちなみにラムとマトンの違いはご存知でしょうか? 

一般的にラム肉は生後1年未満の子羊の肉を指し、生後1年以上の成羊の肉はマトンと呼ばれます。ラム肉はやわらかく風味が穏やかでクセが少ないのが特徴。

一方のマトンは肉質がしっかりしており、羊特有の香りが強いため、好きな人には好まれますがクセが苦手な人には少し敬遠されがちです。どちらも栄養価に大きな違いはありませんが、初心者にも食べやすいとされているのはラム肉です。
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