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海外では珍しい軽自動車文化

軽トラックをベースにしたカスタムをはじめ、軽自動車も非常に多かった(筆者撮影)

軽トラックをベースにしたカスタムをはじめ、軽自動車も非常に多かった(筆者撮影)


また、マレーシアの自動車文化で面白いところが、軽自動車を見かけることが多いことだ。というのもダイハツと資本関係のあるプロドゥアがミラをベースにした「アジア」「ベザ」「カンチル」、ムーブをベースにした「クナリ」などを販売していたことがあり、見た目がそっくりなクルマが街中を走っているのだ。

そこから日本の軽自動車に興味を持ち、わざわざ輸入する愛好家も多いそうだ。実際にマレーシアオートサロンの会場では、ダイハツのミラや「タント」、軽トラの「ハイゼット」、そのほかホンダの「N-BOX」や「S660」なども展示されていた。

そういった面でもマレーシアと日本の改造車文化は親和性が高いのかもしれない。また、少し景気が失速気味の隣国タイに比べて、マレーシアは比較的堅調で、クルマ好きの富裕層も多い。

日本では、さまざまな規制強化やスポーツカーの高騰、先行き不安な景気なども含め、趣味性の高い改造車を取り巻く環境はきびしいというのが現実だ。そのため、アフターパーツメーカーも苦戦が強いられている。そんな中で東南アジア、とりわけマレーシアのマーケットに活路を見いだしているのだろう。
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隣国のタイと比較して、まだマレーシアの改造車文化は本格の成長前段階ということもあるかもしれない。ただ、最近はタイやマレーシアのほか、インドネシアやフィリピンなどの東南アジア各国でも日本の改造車をテーマにしたイベントが開催されているので、その広がりや成長にも期待したい。


三木宏章=文
東洋経済オンライン=記事提供

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