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平野:TaiTanさんはたぶん、ポッドキャストやってなかったら、ちょっと嫌われているかもしれない……(笑)。いや、極論ですけどね。だってめちゃくちゃクレバーだし、領域越境しながら活躍されて、やることなすこと注目を生み出せて、そういう人って、まあ、「うまいことやってる」みたいに思われることもね……(笑)

TaiTan:そう、そうなんですよ!(笑)

平野:でも、ポッドキャストを聞くと「こいつも同じ人間なんだ、めっちゃ苦労してるんだ」みたいなニュアンスがちゃんと伝わるんですよね。なんだ、愛おしい。頑張り屋さんなんだな、みたいなところまで見えてきて。

TaiTan:そんなセサミストリートみたいに(笑)
 

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平野:有料のファンコミュニティとかでなく、ゼロ課金でアクセスできるポッドキャストを通して、TaiTanさんのウォームな側面をみんなが知ってくれる。それでリスナーさんも「俺たちの友達のTaiTanが〜」みたいな距離感になってくれるのがいいですよね。うちの家でも3人目の同居人くらいの存在感ですもん。いつも聴きすぎてて。

TaiTan:たしかに、僕の(ストーリーの)流れを知っててくれてるってのはすごいデカいのかもしれませんね。

——コロナ禍から5年ほど番組を続けてきたお2人ですが、ポッドキャストの魅力は何だと思いますか?

平野:なんか「すこやか&バトル感」っていうか。「なるべく健全にいきたいんだけど、でも別にリングから降りたいとは思ってない」みたいな人たちの表現する場所として適切だなと思っています。

TaiTan:わかるわかる。

平野:社会に対して発信したり、何か働きかけたいというモチベーション(バトル感)がありながら、アテンションだけを追い求めて身を削りたくもなければ、可視化されすぎる世論に終始怯えながら言葉を選ぶのも違う。もっと自分の本当の言葉で等身大に話したい。言ってしまえばシンプルなんですけど、今やなかなか難しい発信のあり方を、ポッドキャストは肯定してくれるというか。ちょうど“間”にあるプラットフォームとしての魅力がある気がしています。

TaiTan:この世代なのでYouTubeっていう選択肢も検討する人が多いと思いますが、YouTubeは基本的にはアテンションゲームに巻き込まれるじゃないですか。規模の最大化を目指すならいいのですが、そうでない場合、視聴者にも数字(登録者数や再生回数)が見えてしまうから、少ないと見劣りしてしまいますよね。

ポッドキャストは数字が(リスナーに)可視化されないですもんね。登録者数が多い人が上とかじゃなくないか、っていう当たり前の話なんだけど、他人はそう思っちゃうから。



平野:(ポッドキャスト側が)再生数の数字が出ない仕様にしたというのは、結構大きな判断だと思います。

TaiTan:平野さんが言った「バトル感」みたいなのは僕もめちゃくちゃ共感します。やっぱり、雑談だけの “ぽかぽかした感じ”はあんまり好きじゃないから。僕の場合は、何かを着実に現実にしていく時のエネルギーをつくり出す装置としてポッドキャストというメディアはとても相性がいいなとは思いますね。降りてるわけでもなく、不健康に数字に追われるわけでもない、そのバランスが心地いいですね。
4/4

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