業界の目利きも唸らせる、知る人ぞ知る1本

田中さんが「マジで推しです」と力を込めるのがブラックバードの1本。50年代のペインターパンツが着想源になっており、色落ちや風情がデニム好きにはたまらない。
「リーの『ボスオブザロード』というペインターパンツがネタ元。大昔のペインターパンツはとにかく太く、はいたときに野暮ったく見えますが、このデニムは違います。太くてルーズでもだらしない印象はなく、シルエットが絶妙なんです。もう凄いとしか言いようがないですね」。

「ブラックバードは、めちゃくちゃインディペンデントなことをしている、知る人ぞ知るブランド。高感度なセレクトショップを中心に、数年前から卸しも行っています」。
デザイナーは、国内の有名セレクトショップのバイヤーを務めた人物。独立後、自分の店をオープンさせ、それと並行してブランドも設立。以後、コアなファンから絶大な支持を集め、今や全国のセレクトショップのバイヤーからも一目置かれる存在となっている。
デニム=ブラックバード コート=インカミング ニット=ウメダニット シューズ=オールデン
「先述したように、50年代のペインターパンツから着想を得ています。ゆえに、シルエットも大きめ。とはいえ、考え抜かれたパターンメイキングによりジャストではいても、でかばきしてもサマになるんですよね」。
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デニムは武骨さが魅力。確かにそうだが、大人になったら別の視点でも楽しめるようになりたい。田中さんが挙げてくれた品々は、デニム選びの選択肢を広げる好例になるはずだ。