
濃厚な豚骨醤油ベースのスープとモチモチ麺が特徴の“横浜家系ラーメン”。いくら満足感が高くてもカロリーはそれ相応のものだろうし、健康的には……う〜ん。
そんなジレンマを持つみなさん、実はその先入観は間違い。食べ方によっては風邪予防にもなるほど栄養価が高いことをどうか知ってほしい。
インフルエンザが大流行するなか、家系ラーメン好きの管理栄養士・望月理恵子さんにファクトチェックを依頼した。
聞いたのはこの人!

望月理恵子さん●管理栄養士。健康検定協会理事長。「根拠のある情報から、栄養・健康をサポートする」ことを目的とした株式会社Luceを立ち上げ、代表取締役に就任。健康、美容、ダイエットなどの情報発信やレシピ開発など、各メディアでも活躍中。著書に『やせる時間に食べてみた!』(主婦の友社)、『ダイエットの新提案 食べる前に飲む特製野菜ジュース』(アスコム)など。
家系ラーメンのトッピングは栄養価が高い!

新杉田にある「杉田家」のチャーシューメン大盛。横浜家系総本山「吉村家」の直系1号店。
――家系ラーメンは風邪予防にこそ避けたほうがいい印象でしたが、勘違いなんでしょうか。家系ラーメンのスープは間違いなくこってりしているので、胃腸機能が弱っているときはおすすめできません。でも「風邪予防」という観点であればメリットが高いんですよ。
――そうなんですね!早速、風邪予防に効果的なメリットを教えてください。まずお伝えしたいのは、風邪予防の3本柱は「睡眠」「運動」「栄養」だということ。どれか一つ欠けてもダメなので、栄養だけでは予防にならないことを念頭に置いてください。
そのうえで、家系ラーメンのメリットはさまざまな栄養がとれるトッピングの多さが挙げられます。チャーシューや海苔、ほうれん草が基本ベースだと思いますが、そこに卵やネギ、メンマなどを追加できますよね。
――確かに、選べるトッピングの数は多いですね。まず、チャーシューでタンパク質をしっかり摂取できます。豚肉の場合は免疫維持に欠かせないビタミンB1が多く、にんにくがその吸収をサポートする相乗効果もあります。
一方、チャーシューが鶏肉の場合は、疲れを取るイミダゾールジぺプチドという成分が多く含まれるので、風邪予防に欠かせない疲労回復につながるんですよ。
――海苔やほうれん草、卵はどうですか?海苔は腸内環境を整える食物繊維が多く、ラーメンに不足しがちなミネラル分を補ってくれます。なかでも、亜鉛は免疫細胞の働きを活性化してくれます。
ほうれん草は血液に酸素を運ぶ鉄分、その吸収を助けるビタミンC、免疫力を高めるβカロテンが豊富です。
そして卵は言わずもがな「完全栄養食」。たんぱく質、ビタミン、ミネラルのほか、免疫力を高めるアミノ酸がバランスよく含まれています。
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