OCEANS

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日本に住み始めたばかりの頃、気になっていた「おでん」を食べる機会があった。おでん屋さんに向かいながら、想像するだけでテンションが高まった。お店のカウンター席に座ったらなんと、自分の前に熱々のおでんが並んでいた! あらゆる食材が出汁に入って、銀色の四角いボックスの中に入ってる。このような料理はイタリアでは見たことがなくて、似ている料理もパッと出てこない。

テンションMAXの僕は注文時に、「おでんください!」と元気な声で言った。すると店員さんは、「どれにしますか」と微笑みながら返してくれた。まだまだテンションMAXの僕は、「おでんでお願いします!」と改めて言ってしまったのだ。



当時は日本料理に詳しくなくて、スマホですぐ調べられる時代でもなかったから、おでんという仕組みを知らなかった。おでんは料理名だけど、その中で好きな種類を選ぶんだ! と、そのとき気が付いた。

よく考えたらイタリアのパスタも同じで、「パスタを食べたい」と言ってもどんなソースで何の麺を食べたいのかまったく伝わらない。


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