③ “おひとり様”需要で人気爆発「ジョニーのビリヤニ」
大澤さんと間借りビリヤニでタッグを組んでいたのが“ジョニー”です。といっても千葉県出身で、本名は谷 晃一さん。
大学生時代、バックパッカーとしてパキスタンやインドを巡っていた際に、ジョニーウォーカーのTシャツを着ていたため「ジョニー」と呼ばれるようになったそう。同時に、現地でビリヤニの虜になってしまったわけです。
彼が独立して「ジョニーのビリヤニ」を構えたと知ったのは、2019年、大澤さんから届いたメールがきっかけでした。
「僕が知っている中で一番頭がおかしいカレーを出す男が、金沢に店を出すので行ってみてください」と。
2024年6月に東京進出を果たした「ジョニーのビリヤニ 神田店」の外観。
「ええっ、なぜ縁もゆかりもない金沢で?」と思いつつ足を運んだところ、これがまあ、間違いのない美味しさ。
パキスタンから取り寄せた大きなアルミ鍋で一気に炊き上げたビリヤニは、バスマティライスがピンと立って見た目にも美しい。
「マトンビリヤニ」普通盛り350g 1500円。大盛り450gは+400円。
ぎゅっとした噛み応えに、めくるめく旨みと香りが折り重なって、やみつきになること確実です。
ジョニー曰く「金沢に出店したのは食のレベルが高いから。直感です」。その勘は正しく、北陸初のビリヤニ店として舌の肥えたファンを獲得していきます。
そして2020年1月、渋谷まで来てもらってビリヤニイベントを開催したところ、若い女性たちで長蛇の列に!
「エリックサウスで美味しさに目覚めた」人もいれば、「大盛りのイメージで挑戦できなかったけど、1人用で出してくれるというので来ました」という人も。
つまり日本では“おひとりさまビリヤニ”の需要が抜群にあったわけです。
その感触を掴んだジョニーは、コロナウイルスの流行というピンチもチャンスに変えます。
もともとやっていた「おひとりさま用冷凍ビリヤニ」の通販を拡充。今や全国にリピーターが増え、年間1万食を売り上げる超ヒットを記録しています。
350gと程よい量かつ、バスマティライスによく味が染みていて、炊きたてとはまた違う美味しさを堪能できます。ぜひご賞味あれ!
ジョニーは後進の教育にも熱心で、若手シェフを次々と新規店舗のトップに育て上げています。2024年6月には神田に進出、7月には富山に支店「ザバルダスト」をオープンしました。
今後もどんどん店舗を拡大していくでしょうが、シーフードビリヤニだけはお弟子さんにもレシピを教えておらず「ジョニーがいる店でしか食べられない」そう。要チェックです!
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