「最辛グルメNEWS」とは…… 中国八大料理のひとつ、湖南料理をご存じだろうか?
四川料理や広東料理ほど広く知られてはいないが、「四川人は辛いのを恐れず、湖南人は辛くないことを恐れる」と表現されるほど辛く、そのレベルは中国最高峰だといわれている。
湖南料理は、汗が吹き出すような辛さ「香辣(シャンラー)」と、酸味の効いた「酸辣(サンラー)」のふたつを味わえるのが特徴だ。
今回は、最近増えている湖南料理の名店を、激辛インフルエンサーの金さんが紹介。
【写真15点】「中国“最辛”を誇るマニアック中華の名店3選!」の詳細を写真でチェック
案内人はこの方!
金 成姫(きむそんひ)●激辛料理専門家。調理師免許と1級フードアナリストの資格を取得。激辛マニアでスパイス香辛料ソムリエ、チーズプロフェッショナル、ワインエキスパート、唎酒師等も。Instagramのフォロワーは2万人を超え、YouTubeなどでも日々さまざまな激辛グルメを発信している。フードライター、フードコメンテーターとして活躍中。
こんにちは、激辛料理専門家の金 成姫です。今回紹介するのは「湖南料理」です。
湖南料理は、中国南東の内陸部に位置する湖南省で生まれた料理のこと。中華人民共和国を建国した毛沢東は湖南省の生まれで、湖南料理をこよなく愛していたそうです。
比較的温暖で多湿な湖南省の気候のもと、発酵させた食材や野性的なハーブを多用します。
海に面していないので食材を長持ちさせる必要があり、発酵させたり辛味を付けたりした強い味わいの料理が多くなったとか。
日本ではまだ湖南料理の知名度は低いのですが、最近テレビで「マニアック中華」として紹介され、都内を中心に専門店の数も増えてきています。
今回は、私がイチオシする湖南料理のお店を3軒紹介します。激辛好きの人はぜひ、未知の中国料理を堪能してみてくださいね!
発酵・ハーブ・燻製で湖南料理の奥深さを堪能
① 香辣里の「香辣魚」
ヒリヒリ度(唐辛子) ★★★☆☆
スパイシー度(香辛料)★☆☆☆☆
痺れ度(山椒) ☆☆☆☆☆
三茶にある人気の飲食店を集めたグルメタワー「GEMS三軒茶屋」の7階。店名のフォントに湖南料理の象徴である唐辛子を使用したポップなデザインが、今回のお目当て「香辣里(シャンラリー)」さんの目印です。
入り口には湖南料理の説明書きが!
紹介するのはここの人気メニューで、湖南料理の名物「香辣魚(シャンラーユー)」です。
香辣魚は、塩水漬けで発酵させた魚を唐辛子とともに蒸し煮にした料理。湖南料理では、蒸し料理が多いのです。
中国では「臭魚(チョーユゥ)」と呼ばれている。
また湖南料理のもうひとつ特徴として、叩き潰した唐辛子を発酵させた「剁椒(トゥジャオ)」と呼ばれる調味料を使用します。潰しているからこそのザクザクした食感と、独特の酸味が口いっぱいに広がってたまりません……!
魚は唐辛子とともに蒸されているので、突き抜けるピリッとした風味をたっぷりと纏い、タンパクな魚本来の旨味もダイレクトに感じられます。
発酵中華の代表的一品にふさわしい酸味と魚介の旨味が身にしみ込んでいて、噛むと口の中で出汁が大爆発。辛いのが大好きな方は、スープもたっぷり堪能してみてください。
香辣魚以外にも、湖南料理を感じられるおすすめ料理があります。ひとつは「青唐辛子のピータン和え」です。
「青唐辛子のピータン和え」はすり鉢で潰しながら食べるのが特徴。
この料理は、湖南省の家庭の定番料理。すり鉢に青唐辛子とピターンが入っており、すりこ木を使いながら自分で潰してから食べます。
青唐辛子のフレッシュな辛さとピータンの濃厚さが混ざり合う、絶妙な味わい。"唐辛子をすり潰す"という湖南料理で多く使用される調理法を自分で体験できるので、旅行に来た気分を味わえることでしょう。
一口食べれば「前菜でこのインパクト……!」と、湖南省に来た気分を味わえること間違いありません。
辛い料理のお口直しにおすすめ。
また「きゅうりの大葉ロースト」も絶品。こちらはしその葉ときゅうりをローストしたシンプルな一品ですが、ハーブが効いていて、お酒の魚にもピッタリ。さっぱりと味わえるので辛い料理の合間につまむのもアリですよ。
「香辣里」ではさまざまな湖南料理の前菜が豊富なので、お気に入りを見つけましょう!
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