② 予約瞬殺! マニアを熱狂させる「ビリヤニ大澤」
2012年、「エリックサウス」1号店オープンとほぼ時を同じくして、経堂のインド料理店「ガラムマサラ」で日本初の間借りビリヤニ店「ビリヤニマサラ」が誕生します。
運営の中心メンバーが「俺からビリヤニを取ったら何も残らない」とまで断言する、大澤孝将さんです。
オーナーシェフの大澤孝将氏。
大学時代に旅したインドでビリヤニに魅せられ、帰国後、ひたすらビリヤニを作り続けるシェアハウスをスタート。
そして間借りビリヤニ店「ビリヤニマサラ」から「ガラムマサラ」の店長を経て、2021年に「ビリヤニ大澤」として独立しました。
神田に店を構える「ビリヤニ大澤」の外観。インドテイストはなく、和食店そのものといった店構え。
コンセプトは「最高の状態でビリヤニを作る」。もう、とにかくストイックですよ。
究極の“ふわふわな炊き加減”を目指して、外側と内側で火力を調整できるようにコンロをカスタマイズ。炊き上がりに合わせて一斉に提供されます。
細やかな神経はペアリングにも行き届いています。ムスリム教徒は基本お酒を飲まないので、ビリヤニのお供と言えばコーラなんです。その提供温度も厳密に管理するという徹底ぶりです。
「やる気のあるコーラ」500円。コーラを美味しく飲めるように開発された専用のグラスで提供される。ビリヤニを食べながら飲むには、ビンで提供される方(300円)がおすすめだそう。また店内には、コーラが凍る寸前の-0.1℃にKEEPしておくためのコーラ専用冷蔵庫が設置されている。
メニューは毎日1種類のみ。曜日ごとに変わるほか、オマール海老や牡蠣など、旬の食材をふんだんに使ったビリヤニも味わえます。
とくに冬のアナグマは脂がのっていて垂涎もの! 予約は激戦ですが、人生で一度は、いや何度でも味わってほしい逸品です。
手食用に盛り付けられた「アナグマビリヤニ」4000円(時価)。手食とスプーンで食べる人とでは、提供される皿が異なるという徹底ぶり。メニューはその時々で変わるので予約時に要確認。
ちなみに、ビリヤニのトップにパクチーを乗せるスタイルは、大澤さんが始めたそう。確かに現地では、飾るとしてもミントの葉や生のオニオンなんです。
日本の多くの店で「パクチー乗せビリヤニ」が見られることからも、大澤さんの影響力が感じられます。
4/5