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一方、BEVのG580は、乗り心地がG450dと大きく違う。特に路面に小ぶりの岩がある急斜面を時速10km以下で通過するようなとき、路面-タイヤ-車体-ハンドル-シートといった一連の振動の伝わり方が、はっきりと違うのだ。G580は、乗り味もクルマ全体の雰囲気も「実にソフト」なのである。

サスペンションストロークの大きさがよくわかるモーグル走行の様子(筆者撮影)

サスペンションストロークの大きさがよくわかるモーグル走行の様子(筆者撮影)


車両重量でみれば、G450dの2560kgに対してG580は3120kgと、実に560kgも重い。それでも、オフロード走行では重さを感じず、またノシノシと動くというイメージもなく、走り味はソフトでジェントルなのだ。

“軽い”とは決して言えないが、“重さを忘れてしまう”といった印象があるほど、扱いやすい。重たいクルマがありがちな、ギクシャクする感じが極めて少ないのだ。

4モーターでトータル432kW/1164Nm

本格的なオフローダーではこの夏、同じコースで三菱「トライトン」の試乗をしているが、G580の走行性能はトライトンとは“別次元”といった雰囲気すらある。また、別の場所で70/250/300と一連の「ランドクルーザー」シリーズに乗っているが、G580はこれらともまったく違う走行感がある。

G580はランクル300と同様にサスペンションストロークが大きく、ドライバーの目線がぶれにくい、いわゆるフラットライド感が強い。だが、クルマの上下動も含めて、クルマ全体の動きに対する電子制御のクオリティでは、G580がランクル300や250をしのぐ。

運転席からの眺めや装備はガソリン/ディーゼルモデルと変わらない(筆者撮影)

運転席からの眺めや装備はガソリン/ディーゼルモデルと変わらない(筆者撮影)


G580は、4輪それぞれに出力108kWのモーターを備え、トータルで最大出力432kW/最大トルク1164Nmを発揮。車体の中央下部に搭載するバッテリー容量は、116kWhとかなり大型だ。バッテリーパックについては、外部からの衝撃に対応して厚さ26mmのカーボンコンポジット素材を使うアンダーガードプロテクションを採用する。


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