渡辺真史●1971年、東京都生まれ。ベドウィン & ザ ハートブレイカーズのディレクター。ローカルとインターナショナル、2つの視点で東京をクルージング。
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すべての写真を見る 刷新された渋谷駅・新南改札を抜けた先。アーティストから商店街の面々まで、有名無名を問わず渋谷好きが出演するローカルラジオ局がある。
大きなガラス窓からは、賑やかな様子が垣間見える。そんな「渋谷のラジオ」代表理事の西樹(にしたてき)さんを訪ねた。
「渋谷のラジオ」
渡辺 こんにちは。突然ですが、「渋谷のラジオ」ってすごくパワフルなネーミングですよね。シンプル、でもスペシャル。渋谷もラジオも大好きな僕には、強烈に響いてきます。
西 ありがとうございます。僕も両方の魅力にハマって、早40年ほど経ちますね。1980年代前半に大学進学で上京して、当時は文化放送でADのバイトをしていました。
渡辺 音楽やファッションなど、渋谷には多彩なカルチャーがあります。西さんにとっての最大の魅力は?
西 やはり“ミックス感”ですね。カルチャーの部分だけでなく、建造物や街並みにも混ざった良さがある。渋谷はすり鉢状の地形で知られていますが、まさにすりこぎでかき混ぜたかのよう。例えば、あるビルの地下と別の建物の上部がつながっていたり。高低差がある街ならではの都市開発は、とても立体的でユニーク。
渡辺 なるほど。そんな移りゆく街の変化をいち早く伝えてくれるのが、「渋谷のラジオ」の役割でしょうか。
西 「シブヤ経済新聞ニュース」という番組では、速報性の高い事象をくまなく扱っています。ただ一方で、変わらない今の渋谷にスポットを当てる番組もあるんです。
我々が目指すのは、渋谷のみんながつながる裾野が広いラジオです。渋谷はグローバルシティである半面、昔から暮らす人がいるローカルな場所でもある。
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