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2024.11.27

ライフ

あらゆる釣り人のニーズに全力で応える老舗釣り具店「サンスイ」で見た景色

渡辺真史●1971年、東京都生まれ。ベドウィン & ザ ハートブレイカーズのディレクター。ローカルとインターナショナル、2つの視点で東京をクルージング。

渡辺真史●1971年、東京都生まれ。ベドウィン & ザ ハートブレイカーズのディレクター。ローカルとインターナショナル、2つの視点で東京をクルージング。


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渋谷・明治通り。ゆく川の流れのような諸行無常の領域に、釣り具店「サンスイ 渋谷店 パート2」は堂々と佇む。

明治35年4月に渋谷で創業し、現在は上野や池袋など都内で複数店舗を運営。ギアはもちろん、オリジナルのアパレルグッズも充実する。

あらゆる釣り人のニーズに全力で応えるプロショップの運営統括責任者 中村篤人さんを訪ねた。

「サンスイ 渋谷店 パート2」

渡辺 こんにちは。釣り具をしっかり見るのは三鷹を流れる野川で遊んでいた小学生の頃以来で、この店のラインナップの豊富さに驚きました。
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中村 ここパート2は、僕が担当している店舗で1階がトラウト、2階がバス専門。海釣り用のアイテムを扱う隣のパート1など、それぞれ取り扱いが異なります。

渡辺 すごい世界だ。例えばルアーだけでも、何種類あるんでしょう?

中村 正直、数え切れません。ただ、「ないものがない」を目指していた頃とは違い、今は「自分が欲しい道具」を揃えています。結局それが、自信を持ってすすめられる商品です。

渡辺 1902年創業と伺いましたが、当初から釣り具の取り扱いを?

中村 創業者の木村駒三郎は、もともと盆景が趣味でした。盆景用品を扱う流れで、仲間内で流行していたタナゴ釣り用の道具も仕入れ始めました。とにかく遊びが大好きだったのでしょう。ちなみに「サンスイ」という店の名前は、彼の盆景家としての号「三水」に由来します。
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渡辺 なぜ渋谷の地なのでしょう?

中村 渋谷には「谷」という漢字が入る。谷には人が集まるだろう。という初代の考え方だったようです。

渡辺 先見の明というか、勝負勘というか。さすがは道楽の達人ですね。
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中村 ありがたいことに、今では世界中からお客様が来てくれます。

渡辺 安心、親切。ここなら初心者でもなんとかしてくれそう。ところで中村さんは、いつからこちらに?

中村 17歳でアルバイトを始めたので、約40年が経ちます。

渡辺 この道一筋。そんな中村さんにとって、店を長く続ける秘訣は?

中村 考えたことがないですね……。強いて言うなら、来る人の欲望をかなえてあげることでしょうか。魚が釣りたい人に、魚を釣ってもらおうとする。シンプルに、それだけです。

渡辺 美しい道具を眺めながら話を聞いていると、僕もまた釣りを始めたくなってきました(笑)。

中村 少しでも経験がある方は、必ずスイッチが入っちゃいますね。

渡辺 釣りには多彩な楽しみ方、ドラマがある。生物の力が手に伝わるあの感覚、確かに忘れられません。

中村 自然とコミュニティができることも釣りの醍醐味のひとつです。僕もお客様と一緒に、北海道やロシアに遠征に行ったりしました。

渡辺 それは楽しそうですね!

——「釣りを知らないことは人生の楽しみの半分を知らないことだ」。そんな格言が改めて、心に響く。
サンスイ 渋谷店 パート2
住所:東京都渋谷区渋谷3-16-1
電話番号:03-3400-0160
営業:12:00〜20:00(土曜、祝日は11:00〜18:00、日曜は11:00〜17:00)
定休:月曜 ※祝日の場合は翌平日
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若木信吾=写真 増山直樹=文

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