青い海と空をまもるために活動する「
The BLUEKEEPERS project」。
このプロジェクトの中心となるのが、一般社団法人セイラーズフォーザシー日本支局・理事長の井植美奈子さんだ。
このたびセイラーズフォーザシーの創設者、ディビッド・ロックフェラーJr.夫妻が来日し、スペシャルな対談が実現。
活動のきっかけとなった出来事やふたりの出会い、そして海への想いを聞く。
【写真13点】「世界のディビッド・ロックフェラーJr.夫妻が来日!海にまつわるアレコレを緊急インタビュー」を写真でチェック 井植美奈子さん(以下、井植) 今年もふたりにお会いできてうれしいです。ところでなぜ、セイラーズフォーザシーを立ち上げようと思ったのですか? そのきっかけを改めて聞かせてください。
ディビッド・ロックフェラーJr.さん(以下、ディビッド) 私は2000年頃にピュー・オーシャンズ・コミッション(ピュー海洋審議会)で学び、アメリカの海と湖の状況に関する報告書を作成しました。そこでわかったのは、海洋には、CO2や温暖化、湖の水質汚染、漁業の衰退にプラスチック問題などさまざまな問題があることでした。
私は船乗りで、70年以上ずっとセーリングをしているので多くの仲間たちがいます。彼らにも海の現状を教えなければと思い、「セイラーズフォーザシー」を立ち上げたんです。影響力がある仲間たちの力添えもあり、今では9万人ぐらいのメンバーが集まっています。
井植 すごい数ですね。具体的にはどのようなことを啓蒙していったのでしょう?
ディビッド ひとつは「クリーンレガッタ」の開催です。ヨットやボートなどのセーリングイベント(レガッタ)が、海洋自然環境に配慮した形式で行われるようにするためのプログラムです。
当時レガッタでは、魚にとって有害な塗料を船底に用いたり、水中にプラスチックゴミを捨てたりするヨットも多かったんです。そういった海を汚す行為を防ぐべく、クリーンレガッタを開催しました。
井植 スーザンは、世界最大の海洋NGO団体「オシアナ(OCEANA)」理事をなさっていますが、海洋保護の活動はどのようにして始まったのでしょう?
スーザン・ロックフェラーさん(以下、スーザン) 海を愛しているからこそ守っていきたいと思ったのがきっかけです。毎年のようにロングアイランドのビーチで夏を過ごしていたので、潮の香りがする海辺の暮らしが大好きだったんです。
井植 お二人とも海への愛は共通していますが、そもそも二人はどのように出会ったのでしょう?
ディビッド 「アラスカ」が私たちを結びつけてくれました。私は80年代初頭にアラスカを初めて訪れて、その自然に感動しました。すっかり魅了され、アラスカの自然保護団体「アラスカ・コンサベーション・ファンデーション(ACF)」に入会して10年間役員を務めました。
そこで、「私の拠点であるニューヨークにアラスカの魅力を伝えたい」とACFの理事会に相談しました。釣りや野生動物の写真に興味を持つ人がたくさんいたので、相性が良いと感じたんです。
結果的にニューヨークで盛大な夕食会を開くことになり、スーザンとはその過程で出会いました。
スーザン 夕食会で流す、アラスカの魅力を伝える動画を二人で制作したんです。ディビッドが書いた文章を元に、私が映像の編集を担当しました。
ディビッド スーザンは映画監督で、既にアラスカに訪れたことがあり、ACFにも興味を持っていたんです。
スーザン 私たちが出会ったのは、自然と芸術を愛していたからこそですね。
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