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② ケンドリックVSドレイク、HIPHOP史上最大級のビーフ

2024年3月22日、メトロ・ブーミンのフューチャーのコラボアルバムに収録されているシングル『Like That』がリリース。この曲に客演で参加したケンドリック・ラマーがドレイクとJ・コールのことをディスったことで世界中が衝撃を受けた。

これは2023年にドレイクとJ・コールがコラボした曲『First Person Shooter』にて2人が自身らに対して、HIPHOP界の中でトップ3のラッパーを指す用語「ビッグ3」を多用したことに対してケンドリックが、「ビッグ3なんて存在しない! トップは俺 1人だ!」と意思表示したもの。



言葉巧みなリリックと技術溢れるラップをぶつけ、この曲をきっかけにリック・ロスやカニエ・ウエストなど、別件で確執のあったラッパーたちもここぞとばかりにドレイクに対するディス曲をリリースし、HIPHOP史上最大規模のビーフへと発展していった。

しかし気が付けば、「HIPHOP文化の救世主であるケンドリック」対「物質主義かつ商業的なHIPHOPを代表するドレイク」という戦いの構図になり「どっちが勝つのか?」と世界中のHIPHOPファンの注目を集めた。その後の2人の畳みかけるほど応酬する曲のディスり合戦は壮絶を極めた。

まずは4月13日にドレイクが『Like That』に対するアンサーとして『Push Ups』に加え、4月19日にスヌープ・ドッグと今は亡き2パックの声をAIで生成して使用した『Taylor Made Freestyle』という2つのディス曲を出した。

しかし、偉大な故人である2パックに似せた声を許可なく使ったことで反発を食らい、2パックのご遺族に訴えられて早い段階で取り下げてしまう結果に。



それを受け4月30日にケンドリックがアンサー曲として『Euphoria』を、5月3日に『6:16 in LA』という2つのディス曲を立て続けにリリースし、ドレイクに対して怒涛の反撃をみせた。

ドレイクは間髪を入れずにそのアンサーとして5月3日、『Family Matters』をリリース。「家庭の事情」と題したこの曲にてケンドリックの内縁の妻とマネージャーが浮気をして、2人いる子供のうちの1人が実子ではないという衝撃的な内容をラップしたことで注目を集めた。

しかしその後、20分後という速さでケンドリックが『Meet the Grahams』というアンサー曲を発表。ドレイクの苗字である「グレアム」を使って逆に家庭の事情をアンサーとして使う見事な返しであり、ドレイクの息子、両親、そして11歳の隠し子に対して手紙を書くという過激な内容によってビーフはさらに盛り上がっていった。


3/5

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