連載「HIPHOP Hooray feat.SGD」とは...... ケンドリックラマーとドレイクのラップによるディスり合いや、全米が衝撃をうけた
ディディの逮捕劇。
2024年のHIPHOPシーンは事件に溢れていた。そんな今年をShotGunDandy(ショットガンダンディ)さんが振り返る。
案内人はこの方! ショットガンダンディ(ShotGunDandy)●HIPHOP翻訳家。幼少期から沖縄で育ったマルチリンガルのアメリカ人。HIPHOPの深い知識を活かして楽曲の和訳やスラング、メッセージやリリックの意味などをYouTubeなどで解説し話題を呼んでいる。ビートサンプラーバトル「King of Flip 2023」ではベスト4入り。Instagram:@shotgundandy X:@ShotGunDandymk3
皆さんいかがお過ごしでしょうか? ShotGunDandy参上です。
2024年はディディの逮捕やドレイクとケンドリックの歴史的なビーフ(曲による争い)など、HIPHOP界にとってかなり波乱万丈になった。2024年の出来事を振り返っていこう。
① 年始早々話題のアルバム『American Dream』がリリース
2024年1月12日、21サヴェージの『American Dream』というアルバムがリリースされ、かなりの話題を呼んだ。
注目を集めた理由は彼の国籍に対する問題。アトランタ生まれだと思われていた21サヴェージだが、2019年の2月、実はイギリス生まれで7歳の時に渡米したことがアメリカ合衆国移民・関税執行局にバレて逮捕されてしまったのだ。
簡単に言えばイギリス国籍のままアメリカに滞在してたから不法滞在という扱いになったのだ。
しかし、さまざまな法的トラブルを経て2023年10月、仲の良いラッパーであるドレイクの曲の中で21サヴェージがグリーンカードを手に入れたことが発覚した。つまり21サヴェージはイギリス国籍のままアメリカの永住権を獲得できたのである。
アメリカとイギリスの往来ができるようになった21サヴェージは、このアルバムのリードシングル『Redrum』のMVをイギリスで撮影したことと、自身のルーツがイギリスであることを堂々とラップで表現し大注目を集めた。
もちろんMVもラップもともにクオリティも高く、年始早々ベストアルバムとして候補が上がるほど注目を浴びたが、このときは誰も2024年が、HIPHOPシーンにおいて、今後も語り継がれるほど歴史的な1年になるとは予想していなかった......。
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