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③ 常識を超えた逸品に出逢える「Japanese Spice Curry WACCA」

「グリーンカツカレー」1800円

「グリーンカツカレー」1800円


こちらのお店には、イタリアン出身の店主が生み出す「実験精神旺盛」なカレーが目白押し。
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ぴあ発行『関西究極のカレー2021年版』で創作部門グランプリに輝いた超実力派で、現在は東京に店を構えています。

そんな研究熱心な店主が、ここ最近もっとも力を入れているのがカツカレー。レギュラーメニューがあるわけではなく、日によって出しているカレーが違う。日々進化し続けているんです。

カツカレー探求のきっかけとなったのは、僕が去年企画したイベント「曲カレー」。Dragon Ashさんの楽曲をカレーで表現する試みです。
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WACCAさんがチョイスした曲は「I LOVE HIP HOP」。ロックとHIPHOPを組み合わせたこの曲を、スパイスカレー=ロック、大衆的なヒップホップ=カツカレーと解釈して、ひと皿にまとめ上げたのです。

Dragon_Ashの曲「ILoveHIPHOP」をカレーで表現。

Dragon Ashの曲「I LOVE HIP HOP」をカレーで表現したのがこちら。


出汁がきいたシャッバシャバのカレーに東京Xのカツを乗せていて、お互いを邪魔しない絶妙なバランスでした。非常に新しく、ものすごく美味しかったんですよ。

そうしたイベントでのコラボやお店での提供を経ながら、ことあるごとにネオ・カツカレーをアップデートしている。 

「だいぶ完成形に近づいた」とおっしゃっていましたが、まだまだ目が離せませんね。

衝撃だったのが、ココナッツミルクとスパイスを「使わない」グリーンカレー。

その時点で驚きなのに、さらにカツカレーにしているんです。これがもう、すさまじく美味しいんですよ。カツとカレーが合わさって最大限の美味しさを発揮するよう、きめ細かく計算されています。

「金沢カレー」のインスパイア版など、シェフの研究欲は留まるところを知りません。

毎回ちょっとずつ味が違うので、しばらくしてから「どう進化したかな」と比べてみるのもまた一興。ネオ・カツカレーがどこへ向かい、到達するのか。進化の歩みをともに楽しみましょう!


「Japanese Spice Curry WACCA」
住所:東京都中央区八丁堀2-19-7 庄司ビル1F
営業:11:30~15:00、18:00~23:00
定休:土曜夜・日曜・祝日
https://www.instagram.com/sekime.wacca

ほかにネオ・カツカレーの名店といえば、ラムカツカレーが看板メニューの大阪「シャンカラ堂」さん。東京では、下北沢の「般゚若」さんも外せません。

ネオというには老舗過ぎますが、町田「リッチなカレーの店 アサノ」さんのスパイスがガッツリ効いたサラサラの激辛カレーも、食べるたびに驚かされます。

そしてとうとうネオ・カツカレーを引っ提げた店も登場し始めました。
 11月の期間限定で提供された「ネオ・カツカレー1600円、4ホット+30円」。

11月の期間限定で提供された「ネオ・カツカレー1600円、4ホット+30円」。


2012年に惜しまれながらも閉店した東京カレー界のレジェンド「夢民」ですが、現在は虎ノ門で「Spice and Vegetable 夢民」として復活。まさに東京カレー界のレジェンド「夢民」から11月に期間限定で提供されたのが、その名も「ネオ・カツカレー」です。

他にも、以前ご紹介した「松本メーヤウ」の駅前店がネオ・カツカレー専門の直営店としてリニューアルオープンするなど、その流れはとどまるところを知りません。

ネオ・カツカレーのシェフは皆さん、研究熱心です。「うちのカレーはこれが定番で、ご飯はずっとコシヒカリ。そこにカツをプラスして乗せよう」というのではなく、ご飯はこれでいいのか、カツは本当にこれがベストなのかと、すべてのパーツを根本から問い直し、突き詰めている。三位一体のバランスをずっと考え続けているんです。

ネオ・カツカレーは、他のどこに行ったって食べられない、日本にしかないカレーです。ムーブメントがさらに盛り上がっていけば、カレー界の「主力」として海外に紹介できるコンテンツとなるのです。 

▶︎カレー細胞さんのインスタはこちら!

※写真や内容は、取材当時のものです。

カレー細胞=写真・構成 埴岡ゆり=取材・文 アントレース=編集

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