確かに初代のDNAを受け継いでいるが、息子のほうは背が高い。いや、脚が長いと言ったほうが適切かもしれない。最低地上高が高いのだ。実はこれ、初代のDNAが現代に適応した結果らしい。
1961年に登場した初代は、都市に暮らす人から農家、郵便局員、憲兵隊にいたるまで、職種や性別、年齢にかかわらず愛用された。人も荷物も積める、ちょっとした万能車だったのだ。
そんな初代がもし現代に生まれ変わるなら、やっぱり“アウトドアにも出掛けられる性能は必須”というわけ。
荷物が出し入れしやすいようラゲッジ床を下げたので、バックドアがリアバンパーに食い込んでいる。2.2mまでのスキー板やボードもこの通り載せられる。
だから最低地上高が高く設定され、オールシーズンタイヤを履き、走行機能にスノーモードとオールテレインモードが備わる。
ルノーは、この息子を「21世紀のブルージーンズ車」と呼ぶ。あらゆるシーンに対応する、というわけだ。
シフトレバーの先端やセンターコンソールの収納蓋を含め、インテリアもエクステリアもオプションがいっぱい。670通りの組み合わせがあるという。
1回の充電で400km走り、電動アシストバイクなど他の電化製品にも電気を供給できる。Googleがビルトインされているからカーナビ(Googleマップ)は常に最新。
キャンバストップ仕様も用意される。開閉は電動で、バーチャル執事の「リノ」に頼めば、任意の場所で開閉をストップできる。
車内に潜む、バーチャル執事の「リノ」に頼めば音楽をかけたり、エアコンの温度を調整してくれるのはもちろん、「タイヤ交換ってどうすればいいんだっけ?」なんて相談にも対応してくれる。こんなよくできた息子がいる初代は、きっと鼻高々だろう。
初代4(キャトル)。ライバルのシトロエン「2CV」を徹底的に研究して開発された。ちなみに派生車の4(キャトル)フルゴネットが「カングー」の祖先。
上記のトゥインゴよりも早く、2025年には市場に投入される予定の4(キャトル)E-TECHエレクトリック。果たして日本にもやってくる!? こちらも目が離せそうにない。