レアもの狙いは、モテない金持ちと一緒
ミッド丈がお気に⼊りという「ザ・ノース・フェイス」のスニーカーは、ソックスと好相性。迷彩柄とカーキのカーゴパンツと絶妙なバランスを実現。上品なスエードが際⽴つ「ダブルタップス」のトラッカージャケットも、優美なブラウンが全⾝のアースカラーを引き⽴てる。さらにキャップとサングラスを合わせて、ストリート感をプラス。
やや落ち着いてきたとはいえ、まだまだ熱戦が繰り広げられるスニーカー市場。10年選⼿をいまだにケアしながら⼤事に履いている久保⽥さんにとっては、なんだか腑に落ちないところもあるようだ。
「いや、別にどうでもいいんすよ俺は」と、前置きしつつ……
「よくいるじゃないですか。スニーカーマニアで、ハイプなモデルを買ってはSNSにアップする⼈。そういう⼈たちに⾔いたいんですけど、『お前ら⼀度でいいから、ABCマートで売ってるインラインのスニーカーを履いてSNSにあげてみろ』と。
”⾼価”とか”レア”とか、決めつけられたものでつくるファッションってどうなんだってこと。周りの芸⼈でもいるんですよ、もともとダサい靴を履いてたくせに、⾦に困らなくなったら超⾼いスニーカーばかり履きだすやつ」。
そう息巻いたかと思えば⼀転、今度は哀れみのトーンで静かに続ける。
「かわいそうに……あいつらはブランドもののスニーカーを履いているというだけで安⼼しているんです。ほかの⼈とブレてないんだって、ほっとしてるわけですよ。そもそも⾃分が過去、ダサい靴を履いてブレていたことを⾃覚しているから、ブレないためにお⾦を使って必死にアピールするわけです。
でも、そんなの単なるメッキですわ。いいですか、そのメッキはガチなストリート側の⼈間からしたら、めちゃくちゃ“ダサいよ”ってこと。
⾦があっても、モテないからキャバクラに⾏くようなもんですわ。ほんで『何万円使った!』『ドンペリ何本おろした!』って⾔ってるやつと⼀緒! かわいそうですよね……とか⾔いながら、『お前もハイプなやつ履いてるやん!』っていう話なんですけどね(笑)」。
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スニーカーシーンへの思いを、ときに熱く、ときに悲哀に満ちたトーンで語ってくれた久保⽥さん。次回も、ファッションが好きすぎるがゆえの”可愛さ余って憎さ百倍”なコメントに期待しよう!