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名店③ 全国からファンが集う町中華「中華のサカイ 本店」



続いて紹介するのは、「中華のサカイ 本店」。

場所は、京都市営地下鉄烏丸線・北大路駅から徒歩15分程度。先に紹介した2軒ほど最寄り駅から近くはないが、決して歩けない距離ではない。私も同店には北大路駅から徒歩でアクセスしたが、京都市郊外の長閑な街並みに目を奪われながら歩みを進めている内に、いつの間にか店の前に辿り着いていた次第だ。

さて、同店の創業は1939年(昭和14年)。京都市のラーメン店の草分けとされる「新福菜館」とほんの1年しか違わない歴史を誇る老舗だが、創業当初は喫茶店としてスタートし、その後、洋食店を経て、戦後に中華料理店へと業態変更したとの経緯を有する。

地元・紫野を代表する「町中華」の名店にして、同店の味に魅せられたファンが全国各地から集う実力店でもある「中華のサカイ 本店」。私が訪問したときも、店内は満席で、入店するまでに小一時間を要したほどの人気ぶりを博していた。



「中華のサカイ」は「町中華」なので、提供する商品は「中華そば」「ネギラーメン」「焼そば」「揚げそば」といった麺メニューから、「やきめし」「天津飯」「中華飯」といったご飯ものにいたるまで多種多様。が、お客さんの大半が注文するのは、「冷めん」だ。まさに、この「冷めん」こそが「中華のサカイ」を全国的な名店へと押し上げた立役者にほかならない。

同店の「冷めん」とは、いわゆる「冷やし中華」をベースに独自のアレンジが施された一品で、春夏秋冬を通して提供される不動の看板メニュー。



米酢、醤油、自家製マヨネーズに加え、鶏ガラスープをも駆使して創り上げるタレ(スープ)は、快楽中枢の扉を強引にこじ開けるだけのコク深さとパンチの強さを具備。「冷やし中華」のタレと同様の位置づけを担うパーツでありながら、飲み干さない人は皆無に近いほど卓越した出来映えを誇る。

コシが強くモッチリとした太麺も、タレと肩を並べるほどの存在感を備えながら、タレの魅力を引き立たせる役割をも見事に演じ切る逸品。ビジュアルこそ、シンプルな冷やし中華のように見えるが、その味わいは唯一無二。是非、一度ご賞味あれ!
中華のサカイ 本店
住所:京都市北区紫野上門前町 92
営業:11:00〜16:00(L.O.14:45、土日祝15:30)/17:00〜21:00(L.O.20:30)
定休:月曜
HP: www.reimen.jp


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