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磯村勇斗、映画『若き見知らぬ者たち』で見せた新たな挑戦

10月11日(金) 新宿ピカデリーほか全国公開  (C)2024 The Young Strangers Film Partners

10月11日(金) 新宿ピカデリーほか全国公開中 (C)2024 The Young Strangers Film Partners


現在公開中の映画『若き見知らぬ者たち』に主演した磯村勇斗は、俳優として強いメッセージを発している。

この作品は、日本・フランス・韓国・香港の合作で、内山拓也監督が手がけた人間ドラマ。監督の知人に起こった実際の事件を基に、理不尽さや無情さを鋭く描き出した意欲的な作品だ。

磯村が演じる彩人は、父の借金と母の介護を背負うヤングケアラー。昼は工事現場、夜は両親の遺したカラオケバーで働き、かつて目指していたサッカー選手の夢を諦め、今はその希望を格闘技選手の弟に託している。

息の詰まるような生活に蝕まれながらも、彩人は恋人の日向(岸井ゆきの)との小さな幸せを掴みたいと考えている。しかし、そのささやかな幸せすらも、突然の暴力によって奪われてしまい……。

映画『若き見知らぬ者たち』より

映画『若き見知らぬ者たち』より


脚本を手にした瞬間、磯村は強烈な印象を受けた。

「彩人が家族の重荷を抱えながらも、社会の圧力に押しつぶされそうになりながら、必死に生き抜いている姿が頭から離れませんでした」と振り返る。

物語の進行とともに、彼の運命が悲劇的に変わり、それでもその意志が家族や友人に受け継がれていく展開にも強く心を打たれたという。

「演じることは苦しく、大きな挑戦でしたが、それでもこの役を引き受けるべきだと感じました」。

磯村は、現代社会の中で感じる不安や葛藤を、彩人というキャラクターに重ねた。「今の社会に対する自分自身の感情が、彩人の姿と重なったんです」と語る。

彼は言葉にしづらい複雑な感情を繊細に表現し、彩人にさらなる深みを与えることで、物語に力強さをもたらした。


3/7

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