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悪いときこそ感情を見せないよう意識

高い集中力と精神力が求められるテニスはメンタルのスポーツと言われる。緊張が競技に影響を与えることはないのだろうかと聞くと、小田さんは「試合は緊張しないんですよ」と笑う。それはパリパラリンピックの決勝の舞台でも同じだった。



「ただ、いつもの試合とはまったく違う感情でした。やっとかぁって、昔を振り返ったり、決勝戦で戦っている姿をイメージしていたら、どんどんテンションが上がってきて、試合前に泣いちゃって。で、パッとコーチ見たら、コーチも泣いてて(笑)。『え!? 泣いてる!』って、ちょっと笑いそうになりましたね」。

パリの決勝では、観客を煽るパフォーマンスを見せるなど、試合を楽しんでいる姿が印象的だった小田さん。だが、そんな自然体の彼も、試合で追い込まれたときだけは別だと語る。

「僕、対戦相手のプレー以外の仕草とか、めっちゃ見るんですよ。で、相手が怒っていたら『これはいける』と思う。だから実際はわからないけど、相手からも常に見られているって意識していて。良いときはガッツポーズをしたりするけど、悪いときは自分に逆らって、なるべく感情を出さないようにしています。そこが自分の力の見せどころだし、感情に左右されたら自分に負けたって感じですね」。


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