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大根監督(右)に絶大な信頼を寄せるNetflixの高橋EPが企画の成り立ちを語る(写真:Netflix)

大根監督(右)に絶大な信頼を寄せるNetflixの高橋EPが企画の成り立ちを語る(写真:Netflix)


「アメリカでも他の国でも不動産詐欺はあるものですが、基本的にはシステム上で騙すものが多い。そもそも不動産取引上で所有者と直接会って“本人確認”するといった手順は多くありません。だからこそ、日本の詐欺には人をすり替えるという発想があり、なぜこんな不動産詐欺が起こってしまうのかという他にはないストーリーが描けます」

盛り上がりが徐々に世界にも拡張

大根監督も「ドメスティック極まりない話も突き詰めていけば、いろいろな国の人に興味を持ってもらえるんじゃないか」という想いを共有していました。ただし、それは海外マーケットを意識して作るものではなかったと言います。

「自分の身の回りの半径1キロ圏内のことを描いたものが結果、海外でも面白いと思ってもらえるのが一番の理想形だと思うんですよね。例えるなら、映画『タンポポ』における伊丹十三っぽさ。どんなことをしている人たちなのか、職業と言うべきか、地面師は国を問わず興味を湧かせることができる題材のひとつだと思って作りました」

結果にもあらわれています。日本のNetflix週間ランキング(シリーズ)で2週間連続1位を記録。Netflix公式の週間グローバルランキングでは順位を上げ、初週の8位から3位に上昇。15の国でTOP10入りを果たしています(7月29日~8月4日集計/シリーズ/非英語部門)。

アジアでは日本のほか、韓国、香港、台湾、シンガポール、タイといった主要国で反応を得て、アフリカや南米地域でもランキングに上がるほど人気が広がっています。国内での盛り上がりが徐々に世界にも拡張する動きは、これまで各国で生まれた世界ヒット作品によく見られる現象です。大根監督が言うような理想形をドラマ「地面師たち」は歩んでいると言えます。




長谷川朋子=文
東洋経済オンライン=記事提供

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