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突如YouTubeで公開され、シーンを魅了した『チーム友達』

次に、2024年初頭にリリースされた曲『チーム友達』について少し解説します。

まずはじめに、この曲は「KOHH」ではなく「千葉雄喜」という名義でリリースしています。ラッパーを辞めていた時期にエッセイを書いたり、アパレルブランドを手掛けたりしていましたが、その活動の名義が「千葉雄喜」だったのです。

そんな中、2024年2月、突如「千葉雄喜」名義で『チーム友達』のミュージックビデオをYouTubeにて公開。「チーム友達」や「契り(ちぎり)」、「契ろう」などの単語を連呼するキャッチーな曲は日本のHIPHOPシーンを再び震撼させました。


さらに、単純なリリックを今流行りであるメンフィスの要素を取り入れたビートの上でラップし、ミュージックビデオの中ではこれまた大流行中の「メンフィス・ジューキン」というダンススタイルまで存分に取り入れています。相変わらず「世界最先端のHIPHOP」を認識しているだけでなく、うまく使いこなすことで格好良さとカリスマ性を見事に魅せつけてくれました。

『チーム友達』の熱は千葉雄喜で終わるだけでなく、関西リミックスや九州リミックス、ギャルズリミックスなど日本のあちこちでチーム友達のリミックスブームまで起こり、次々とミュージックビデオがYouTubeでアップされました。

『チーム友達』には仲間意識と平和的なイメージを持ち、単純ながらかなりポジティブなメッセージ性があると個人的にも思いますし、だからこそ、ここまでの熱を持ったのではないかと思います。私自身、子供が5人いますが、全員チーム友達を歌えるほどなので、このコラムを読んでいる中でお子様がいらっしゃる方も、恐らくその広がりと人気の凄さを体感していると思います。

さらに凄いのが、このブームは日本の中で終わらなかったこと。韓国リミックスや台湾リミックス、インドネシアリミックスとかだけでなく、本場アメリカのメンフィスで活躍をしている大人気ラッパー、デューク・デュース(Duke Deuce)が参加するリミックスまで出てきて、世界的に大旋風を巻き起こしたのです。


なぜ『チーム友達』は世界をも魅了したのか? そこは先にも述べましたが、単純なリリックと最先端のビート、そして大流行のダンススタイル取り入れたからだと私は思います。あえて単純な日本語を連呼することによって、日本語がわからない外国人にも耳にすんなり入りやすいし、口ずさむことも出来てしまうのです。

私の本業の職場にはアメリカ人しかいませんが、『チーム友達』がリリースされてYouTubeで大旋風を巻き起こしている頃、3人の若い黒人がひとりずつ私のオフィスに入ってくるやいなや「契りってどういう意味なんだ?」などとリリックの内容にかなりの興味をもっていました。

「好きなのか?」と聞くと、全員「あの曲最高にカッコいいよ!」と口を揃えていました。私はそのとき、「チーム友達は間違いなく世界に届いている」と感じました。


3/3

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