災害時に備えたいポータブル電源。どれを選べばいいかわからない人も多いのではないでしょうか(写真:hellohello/PIXTA)
当記事は「東洋経済ONLINE」の提供記事です。元記事はこちら。 台風10号は過去になく停滞し、日本中のあちこちで停電をもたらしました。停電になると照明が使えないだけでなく、スマホは充電できず、パソコンも使えません。なかには水道が止まってしまう場合もあります。そして一番の心配は冷蔵庫です。
そんな心配を払拭してくれるのが「ポータブル電源」です。普段はコンセントにつないで充電し、停電時に使います。オプションでソーラーパネルを用意しているものもあり、太陽光で充電することも可能です。
とはいえ、数多く発売されていて「どれを選んだらいいかわからない」人がほとんどでしょう。そこで家電おじさんが過去の経験と実体験から、ベストなポータブル電源をご紹介します。
災害時「スマホで照明」はダメ
スマホを充電する「モバイルバッテリー」はよく知られています。最近は大容量になって、スマホを10回以上も充電できるものまで登場しました。
では、ポータブル電源はモバイルバッテリーと何が違うのでしょうか?
一番の違いは、ポータブル電源は壁のコンセントに指し込んで使う家電を動かせることです。ほとんどが車のシガーソケット用の電源(12V)からも出力できます。USBでは昔ながらの大きなコネクタ(タイプA)も、新しい機種で使われている小さいコネクタ(タイプC)も備えています。急速充電にも対応しています。
災害時にスマホを常夜灯として使うのはオススメできません。すぐに電池切れを起こしますし、 何よりスマホは災害情報を得るツールとして活用すべきです。
また、懐中電灯は一晩程度であれば常夜灯として使えますが、長期間使うのは難しいです。乾電池はすべて売り切れてしまいます。ですから、懐中電灯は移動中の照明として温存しておきましょう。
ここで過去の災害の事例を見てみましょう。
どうですか? 電気の復旧は水道やガスに比べると非常に早いのがわかります。東日本大震災や熊本地震では、倒壊した家屋なども多数あり完全復旧まで時間がかかりましたが、それでも2~3日で過半数が復旧しました。
そう考えると、政府が想定する首都直下型地震でも6日間なので、その間の停電をやり過ごせるポータブル電源を用意すればOKです。特に、南海トラフ地震で大きな被害が予測されている地域、地震が多い地域では、政府の6日間は確保しておいたほうがいいと思います。
ポータブル電源は大容量になるほど高額です。生命保険などと同じで、リスクと予算を見比べて、停電に備える基準日数を決めましょう。
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