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オトーサンも笑う車

ファミリーカー選びにおいて大事なことはいくつかある。家族がゆったりと過ごせる広い室内、会話が弾む静粛性、お財布に優しい好燃費などなど。

と、ここまで書いておいてなんですが、さすがは自動車大国ニッポン、300万円も出せば、ほとんどのファミリーカーがこうした条件を満たす。大体、どれを選んでもOK。

で、ファミリーカー選びにおいて大事なことがもうひとつある。それは「オトーサンがひとりで乗っても寂しくならない」ということだ。実はこの条件を満たすファミリーカーは少ない。そこで注目したいのがこの車。

まず、SUVテイストのデザインによって、アウトドア好きのオトーサンのライフスタイルを表現できる。
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e:HEVというハイブリッドシステムは、エンジンとモーターの役割分担が絶妙で、理系オトーサンなら知的好奇心が大いに刺激される。

一方、e:HEVの走行感覚はパワフルで、体育会系オトーサンも思わず昂揚するはずだ。加えて、ふんわり軽い乗り心地はフランス車っぽくて、車好きも納得。

家族で乗ればみんながニコニコ、オトーサンがひとりで乗ると童心に帰ることができるという、唯一無二のファミリーカーなのだ。

モータージャーナリスト
サトータケシ
フリーランスのライター/エディター。7月下旬、ドイツに出張して“ワーゲン・バス”の再来といわれるフォルクスワーゲンのI.D BUZZに乗ってきたとか。「スタイリッシュで快適、年内導入らしいので請うご期待!」。

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コンセプトどおりのデザイン

ホンダのデザインがようやく“わかりやすく”なってきた。日本で最も売れているモデルのひとつであり、最近のホンダ車のなかでは突出してハイクオリティだったN-BOXから良い影響を受けているようにも思える。

8年ぶりにフルモデルチェンジしたフリードもまた、見た目どおりの車になった。初代、先代は「ホントに7人乗れます?」というスタイルで、それはそれで面白かったのだけれど、新型は違う。

フリード全体の基本は6人乗りで、5人(クロスター)はもちろん7人乗り仕様(エアー)でもちゃんと乗れそうなデザインとした。

実際、ボディサイズは初代ステップワゴンを30cmほど短くしたようなもので、いかにも日本人好み。堂々としたボクシースタイルから、街中で便利に使えそうだと想像することはたやすい。
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SUV風のクロスターがフリード史上初めての3ナンバーモデルになった、と聞いてももはや誰も文句など言わないはず。2列目、3列目の居住性は旧型に比べて良くなった(当たり前だけど)。

これで乗り味もクラスで抜きん出るN-BOX譲りであれば文句なしの太鼓判だったけれど、そこはもうひと踏ん張り必要だ。実用的に問題ないが、筋の良い走りと言うにはもう一歩届かず。

モータージャーナリスト
西川 淳
フリーランスの自動車“趣味”ライター。得意分野は、スーパースポーツ、クラシック&ヴィンテージといった趣味車。所有する愛車もフィアット500(古くて可愛いやつ)やロータス エランなど趣味三昧。


OCEANS10月号「47都道府県ショップガイド」から抜粋。さらに読むなら本誌をチェック

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