「ブローシャー」ディレクター 加藤忠幸さん●1973年生まれ。ビームスのサーフ&スケートブランド、SSZを手掛けるほか、自身のプライベートブランド、ブローシャーを2021年に立ち上げる。鎌倉で4代続く加藤農園の当主。シャツ、パンツ、キャップ=すべてブローシャー スニーカー=ニューバランス
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すべての写真を見る SSZやブローシャーのディレクターを務め、長年日本のストリートシーンを最前線で牽引してきたビームスの加藤忠幸さんが、今年の4月、古都鎌倉市に店を出した。
場所は駅から程近い鎌倉農協連即売所。通称“レンバイ”。鎌倉市民なら誰でも知っている野菜の直売所である。
カウンター裏には加藤さんの私物が並び、壁にはスケートボードやアートが飾られている。
加藤さんと関係性の深いサンフランシスコ発ブランド、アンタイヒーローのTシャツ。各5940円。
いったいなぜそんなところで? と思う人もいるだろうが、実は加藤さんは鎌倉野菜を生産する加藤農園の4代目当主でもある。
今も4日に1度レンバイで野菜を売っており、市場が閉まったあとに、本人自らこの店に立っているのだ。
ブローシャーのウール100%Tシャツ。洗濯可能で洗うほどに生地が柔らかくなる。1万4300円。
オープン時に完売したキャップはガーベッジの別注。8月31日“ヤサイの日”に色違いを発売予定。
「服の作り手が直に接客して、その背景をしっかり説明できる店があったら面白いなと以前から思っていたんです。そんな場所ってほかにはないじゃないですか」。
そう、加藤さんがやっていることは野菜と同じ。まさに生産者の顔が見える“服の直売所”なのである。
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