外国人だからこそわかる、ラーメンの世界的人気
外国からの日本ツアーが増えて、一気にラーメンが人気になった印象だという。
ジャンニさんが来日した当時は、外国人にとっては「ラーメンって何?」という状態だった。日本と言えばマンガやアニメのイメージで、ジャンニさんもラーメンという食べ物自体知らなかった。
ジャンニさんが「一八亭」に立ち始めた頃、地元の友達にその話をしてもまったく伝わらなかったが、今ではイタリアにも当たり前にラーメンがある。時代が変わったのだ。
セモリナ粉を混ぜて作ったコシのある極太麺。独創的なアイデアは、ジャンニさんのバックボーンから生まれた(筆者撮影)
「私は日本に来てこの店で初めてラーメンを食べました。今でも忘れませんが、初めて食べたのは辛味噌ラーメン。それ以来、味噌ラーメンが大好きになりました。
毎日が楽しく、大変と思う事もありません。美味しいものを出せばお客さんはまた来てくれます。妻とは『2人で続けられるまで続けよう』と話しています」(ジャンニさん)
『できる人だけが知っている 「ここだけの話」を聞く技術』(秀和システム)。
知枝さんと出会ったことで、ジャンニさんの人生は変わり、そして一軒の老舗ラーメン店が歴史を絶やさずに、地域で愛され続けることとなった。
外国人がラーメン屋の厨房に立つのが、当たり前の時代になりつつある現在。ジャンニさんの半生は、現在のラーメン業界の一端を象徴する物語でもあるのだ。
調理中のジャンニさん。立ち振る舞いに、気品を感じる(筆者撮影)
ここでしか食べられない一杯は、夫婦の物語の先に生まれたのだ(筆者撮影)