新メニューが起死回生の一手に
だが、ジャンニさんが諦めることはなかった。
「ここで諦めてはダメだ。まだまだ頑張ろう」
(筆者撮影)
そう自分に声をかけながら、2010年ごろからは新しいメニューにチャレンジしようと、イタリア風の油そばをラインナップした。もともと営業が終わった後にジャンニさんがまかないとして作っていたメニューだったが、
「これ美味しいからメニューにしてみよう。ダメだったらやめればいいから」
という知枝さんの意見からメニュー化された。結果、知枝さんの予想は見事に的中し、油そばは若いお客さんには一番人気になった。
それまでは創業当時からのラーメンを出していたが、ここからジャンニさんのオリジナルのメニュー開発がスタートする。その後、自家製麺をスタートし、パスタ用のセモリナ粉をブレンドして作った極太麺が誕生した。
こちらが「ジェノヴェーゼ」。ラーメン好きにも、パスタ好きにも響くこと必至の一杯だ(筆者撮影)
2012年からは「ジェノヴェーゼ」の提供がスタート。塩ラーメンにバジルペーストを合わせた斬新な一杯で、ここに自慢の極太麺を合わせた。バジルがたっぷり入った緑色のスープだが、ベースの塩スープがしっかりラーメンらしい味わいで、ラーメンとしてきちんと仕上がっているのが特徴だ。
現在は「味噌ポナータ」「ジェノヴェーゼ」「ローマのまぜそば」などのメニューが並ぶ。これも、知枝さんの後押しがあったからこそだ(筆者撮影)
この他、サイドメニューとしてモッツァレラ餃子などもラインナップし、ジャンニさんオリジナルメニューが次々ヒットする。このころから、テレビの取材も入るようになり、客足も一気に伸びていった。
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