見た目も機能もモダンになった中身
インテリアも大きく変更されている。
インストゥルメントパネルは、これまでの伝統的なウッドパネルの仕立てとは異なり、ガラスの調度品のようなディスプレイが上部を覆い、一気にモダンな印象に。
中央のディスプレイには、カーナビの画面や各種操作のためのアイコンなどが表示される。
見た目だけでなく、中身の先進性も進化している。例えば専用アプリを使ってカーナビの目的地を設定できたり、愛車の施解錠もできる。
後席にもスクリーンが装備されていて、Bluetoothヘッドホンをペアリングすることも可能だ。だから後席に座れば飛行機のファーストクラス同様、好きな映画を楽しみながら目的地へと到着することができるし、ヘッドフォンではなく、18チャンネル1400Wアンプを使うオリジナルのサウンドシステムで大好きなロックに浸ることもできる。
中央の助手席側寄りにはアナログ時計と「スピリット・オブ・エクスタシー」が備わる。
一方で、自然の中を思いのままに駆けめぐるという、カリナンの存在意義をさりげなく主張するため、ロールス・ロイスらしい“職人”仕上げがインテリアに盛り込まれている。
例えばインストゥルメントパネルのディスプレイの下を覆う美しい木目は、厳選された樹種の天然木が用いられているが、この表情を出すために、同社は4年以上の歳月をかけている。
もちろんシートの色は要望に応じてカスタマイズしてくれる。
またシートに用いられている竹から作られた新しいレーヨン生地は、デザインチームのひとりが、コート・ダジュールの「地中海の庭園」にある広大な竹林から着想された。
それを織物職人とともに、最大220万のステッチと11マイル(約17.7km)もの糸を用い、20時間の工程を経て完成させている。
目的地に着いたら、あるいはアクティビティの休憩に、バックドアに備わるシートでちょっと一息。
このように、同社にしかできない最高級の職人技も、カリナンの若返りに一役買っている。まるで“ただ最新機能を詰め込めばいいわけじゃない”とでも言うかのように。
年齢層が下がっただけでなく、ロールス・ロイスを自ら運転する顧客も増えている。
若々しく、伝統的で、最先端。ドアを閉めた瞬間から、都会の喧噪から遮断され、乗員みんなが快適に過ごしているうちに、滞りなく目的地に到着できるSUV。それが現代の“馬車”カリナン・シリーズIIだ。