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新作で著名人をディスりまくるエミネム

今回のスリムの復活に伴い、さらに注目を浴びているのが「誰をディスってるのか?」です。その点においてもしっかりとスリム節を炸裂させており、もちろんかなりの数の人たちを遠慮なくディスっています。

どんな人物をディスったのかを紹介するとともに、その中で特に面白いと思った数名をピックアップしたいと思います。

【今回のアルバムでディスった有名人リスト】

・クリストファー・リーヴ(Christopher Reeve):俳優
・パフ・ダディー(Puff Daddy):音楽プロデューサー
・ジャ・ルール(Ja Rule):ラッパー
・R・ケリー (R.Kelly):シンガー
・アンバー・ハード(Amber Heard):女優
・ キャンディス・オーウェンズ(Candace Owens):保守系の政治評論家・活動家
・ケイトリン・ジェンナー(Caitlyn Jenner) :元オリンピック選手のトランスジェンダー
・ビル・コズビー(Bill Cosby):コメディアン
・ ウィル・スミス(Will Smith):俳優
・ジェイダ・ピンケット・スミス(Jada Pinkett Smith):女優、ウィル・スミスの嫁
・カニエ・ウエスト(Kanye West):ラッパー・プロデューサー
・メリー・メル(Melle Mel):ラッパー
・デビー・ネルソン(Debbie Nelson):エミネムの母親
・ ベン・アフレック(Ben Affleck):俳優
・セス・グリーン(Seth Green):俳優
・マシンガン・ケリー(Machine Gun Kelly):ラッパー
・キーフ・D(Keefe D):2PACを殺害した容疑にかけられてるギャングメンバー
・ミーガン・ジー・スタリオン(Megan Thee Stallion):フィメールラッパー
・ジミー・アイオヴィン(Jimmy Iovine):レコード会社「Interscope Records」の創設者 
・リゾ(Lizzo):フィメールラッパー
・DJポール (DJ Paul):ラッパー・プロデューサー
・ポール・ローゼンバーグ(Paul Rosenberg):エミネムのマネージャー
・スカイラー・グレイ(Skyler Grey):シンガーソングライター
・アレック・ボールドウィン(Alec Baldwin):俳優
・デビッド・キャラダイン(David Carradine:俳優
・ジャック・ケヴォーキアン(Jack Kevorkian):安楽死を推奨する事で有名な医師
・ジェリー・ロール(Jelly Roll):ラッパー
・ ドクター・ドレ(Dr.Dre):プロデューサー

これだけの人たちをジャンルレスにアルバムのストーリー性を損なうことなく、むしろ彼らの名前と存在をストーリーに絡めながら使うという超絶なスキルを魅せつけるエミネムはやはりすごいですし、それ故にアメリカでは多大な評価を受けているのです。

上記の名前の中で特に面白い人物をいくつか紹介します。

① ジャ・ルール(ラッパー)



エミネムファンに広く知られていることですが、ジャ・ルールとはエミネムの全盛期の頃から互いにディスりあっている仲。今回の新アルバムでスリムが戻ってきたことによって久しぶりにジャ・ルールをディスるという身内ネタ的な要素を含んでいるわけなのです。

ちなみに、今回も相変わらずジャ・ルールの身長が低いことをけなしています。
 

② R・ケリー(シンガー)



R・ケリーに関してはご存じの方も多いかもしれませんが、児童ポルノなどで有罪になり現在服役中です。クラブやラジオ、公共の場などでR・ケリーの曲を流すのはタブーだという暗黙の空気が世界中に漂っているのも現状です。

ケリーの事件は2000年代初期に注目をされていたこともあり、スリムがまだあの頃の意識のまま、現代に来ていることを示すカラクリとしてディスをしている一面もあります。

最近のアメリカではケリーが行ったような犯罪に対してさらに厳しくなってきており、少しでも児童ポルノを匂わせるアーティストをエンタメ業界から遮断する「キャンセルカルチャー」と呼ばれる社会現象まで起こってます。

それに一番関わってる若い世代が「Gen Z(Z世代)」ですが、エミネムの別人格であるスリムは、まさに問題発言を連呼するキャラクターですので、Gen Zに対する宣戦布告をアルバムのあちこちに散りばめているのです。

これは「俺もキャンセルしてみろよ!」という喧嘩を仕掛けているのはもちろん、「発言の自由」が蔑ろにされてきている最近のアメリカ社会のあり方へのアンチテーゼとしての意思も入っていて、結構深みも持たせているディスりなのです。


4/4

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