shutterstock
夏本番。薄着になり、いつもよりお腹まわりが気になる方も多いはず。適度な運動とバランスのとれた食事がダイエットの基本だが、飽食の現代で誘惑に打ち勝つのは至難の業。しかし、週末のたった3日間で乱れた食生活や、たるんだ体をリセットできる夢のような方法があるという。
今回は、延べ8万人以上が訪れる人気のファスティング(断食)施設を伊豆にかまえるオーナー大沢さんに断食の魅力を伺った。
話を聞いたのはこの人! 大沢 剛さん●ファスティング(断食)施設「やすらぎの里」「やすらぎの里・高原館」「やすらぎの里・養生館」代表。自然食、ヨーガ、東洋医学との出合いからそれらを組み合わせたオリジナルの断食宿泊施設を立ち上げる。著書に『「きれい」への断食セラピー』 (講談社プラスアルファ文庫)などがある。
脱メタボは簡単!? 断食で内臓脂肪が減るメカニズム
shutterstock
――まず、食べ過ぎ、飲み過ぎが続くと身体はどうなるのでしょうか? 消費カロリーより摂取カロリーが上回ると脂肪がたまっていきますよね。たまった異物(脂肪)を免疫が攻撃することで、体内は慢性的な炎症状態になります。内臓が休みなく働くことで疲労し、代謝も低下することで、ただ太るだけではなく、さまざまな病気の原因となってしまいます。
また、男性と女性の太り方には違いがあります。女性は女性ホルモンの影響で皮下脂肪が多いのに対し、男性は男性ホルモンの影響で内臓脂肪が蓄積しやすいんです。
足は細いけどお腹がぽっこりしたおじさんってよくいますよね。それが、内臓のまわりにびっちり脂肪がついた、いわゆるメタボ体型というやつです。メタボ体型を卒業するには、ずばり断食がおすすめです!
――恐ろしいですね……。脱メタボに、断食をおすすめする理由はなぜですか? 先ほども言った通り、メタボの原因は内臓脂肪。一見手強そうに思えますが、内臓脂肪って、実は溜まりやすいけど落ちやすくもあるんです。
10時間以上食事をしないと、肝臓に蓄えられたグリコーゲンが分解されエネルギーとして使われます。しかし、このグリコーゲンは約24時間で枯渇するため、その後は中性脂肪がその役割を担います。中性脂肪は肝臓でケトン体に変換されてから使用されるため、肝臓のそばの内臓脂肪が真っ先に使われるというワケです。フォアグラのような脂肪肝には効果てきめん。
だから、断食は女性よりも男性のほうが効果が出やすいのです。
――断食には医学的根拠があるのですね! 健康診断で数値としてちゃんと出ますよ。お医者さんに「次の健診で同じ数値ならお薬ですよ」と言われた方が、再検査の直前に私の施設で断食をして改善した例もあります。
――大沢さんが経営するファスティング(断食)施設、「やすらぎの里」では週末プランと1週間プランがあります。週末だけでも効果はありますか? 週末だけでも十分効果はありますよ。断食は、内臓脂肪の減少のほかにも、むくみがとれて身体が軽くなるというメリットがあります。断食初日に2kgほど体重が減りますが、その多くがむくみによるもの。体内の水分は塩分と共に溜まるので、食事を断つと水分がどんどん抜けるのです。普段外食が多い人ほど過剰に水分を抱えていますね。お客様のなかには、1週間で9kg痩せた方もいました。
断食中は細胞のなかの老廃物を自食する現象も起きます。これが、最近流行りの「オートファジー」。新陳代謝が上がってエネルギー消費量もアップし、若返り効果も期待できます。
2/4