地元の人に向けたガイドブックを創刊
団体を立ち上げ、まず名刺代わりになるものをつくろうと創刊したのが『.doto』。2020年に発行した『.doto Vol.1 アンオフィシャルガイドブック』は、道東エリアのガイドブックですが、観光客に向けたものではなく地域の住人のためにつくりました。
「道東に住んでいる人、ゆかりのある人に向けてガイドブックを制作しました。北海道は広すぎて、隣のエリアのことを全然知らない人も多い。だからなかなか連携が取りづらいんです。まず道東というエリアを地域の人たちに知ってもらう。地域の人が地域のことを知るためのガイドブックです」
発売後の反響は大きく、中西さんのもとにはうれしい声もたくさん届きました。
「何冊も買って周りの人に『これが自分の地元なんだよ』と紹介しながら配ってくれた人がたくさんいたんです。実際、僕も北海道以外の地域に住む人に『北見市』と言っても伝わらないという経験は何度もしてきました。
今でこそカーリングで、ちょっと有名になってきましたが、千葉県で働いていた頃は全然知っている人がいなかった。どんな地域なのか説明するために役立っていることはとてもうれしかったです。ガイドブックに付箋をつけながら、誌面で紹介されているお店を回ってくれた方もいたみたいで、お店の方からも喜んでいただきました」
2022年には2冊目となる『.doto Vol.2 アンオフィシャルビジョンブック』を発売。道東に関わる1,013人分の「道東でやりたいこと」を掲載しました。
地域の魅力を伝えるガイドブックの他に、地域の課題解決にも力を入れています。
「地元の企業の方に、働き手がいないという話をよく聞いていました。そこで働きたい人とマッチングができるよう、求人マッチングメディア『#道東ではたらく』を立ち上げたんです。特定の地域だけでなく、道東というスケールで情報を捉えられることで人材のマッチングがうまくいきやすい、というメリットがあります。僕たちの活動は、住民の人たちの地元を広くすること。自分の住んでいるところだけでなく、自分ごとになるような関心の範囲を広げることに取り組んでいます」
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