人口が減っていく地域で、どう豊かに生きていくか
これからも取り組んでいきたいのは、道東の人たちの郷土愛を熟成していくことだと中西さんは語ります。そのためのアイデアもたくさん浮かんでいるようです。
「僕が挑戦し続けたいのは、道東に住む人たちが『自分は道東の一員で、この場所が好きだ』と思えるきっかけをつくっていくこと。例えば道東全体で開催するお祭りがあったら面白そうですよね。みんなで『道東音頭』みたいな踊りをつくって、音楽をかけたらみんなが踊り出すとなったら絶対に楽しい。そんなふうに文化をつくっていくなど、やり方はいろいろあるなと思っています」
『.doto』3冊目の構想はあるのでしょうか。
「これまで『.doto』を2冊出して、ガイドブックは現在のこと、ビジョンブックは未来のことをテーマにしました。次は過去をテーマにしても面白いかもしれません。道東の偉人たちを紹介したり、そのエピソードや歴史を紹介したりする。こういう歴史があって今があるんだと実感できると思います」
この地域に住む人たちに、道東の一員であるというアイデンティティーを育むために。そして道東を、そこに住む人、関わる人たちの理想が実現できる場所にしていくために。〈ドット道東〉の活動は、近隣の地域の協働を促して、新しい解釈の「地元」をつくっていると感じられます。今後も人口減少は避けられない地方自治体において、新たな地域活性のモデルとなっていくでしょう。
〈ドット道東〉を通じて出会った仲間たち