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言葉と行動に嘘がない。ゆえに手に取りたいと思える

水澗さんが初めてパタゴニアに触れたのはファッションを通じてだが、ブランドを深く知ることで、その精神自体に惹かれていったという。



「パタゴニアの本を読んで知ったのですが、アメリカ国内で3番目の早さで社内に保育施設を設けたり、売り上げの一部を毎年環境保護団体に寄付したり、オーガニックコットンに切り替えたのもかなり早かったですよね。ただオーガニックコットンを使います、というだけじゃないところがまた凄い」。


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「農薬を使い続けてきた土壌を正常な土に変えるまでには、早くても3〜5年はかかるそうです。その移行期が農家さんにとっては大変なんですけど、その期間もパタゴニアはフォローしている。筋を通しながら未来を見据えて活動しているブランドなんですよね。

パタゴニアはB Corp認証 をとっているんですけど、その過程も本に全部書いてありました。オーガニックコットンは賛否両論ありますけど、そういうところにも真剣に向き合い続けている。これほど本気でやれているブランドなんてあまりないですよね」。

※ 社会や環境に配慮しながら、利益と公益を両立できる“よい企業”を識別するための認証制度



「工場は環境に負荷なく稼働しているか、スタッフの雇用は正当なものか、原料となる綿花を作っている生産者はどうか、企業として総合的に高い評価を獲得している。第三者機関も評価しているがゆえにやはり圧倒的信用がある。言葉と行動に嘘がないんですよね。だからこそ共感して僕も買おう、身につけようという気になるんです」。 


今や環境に留意したモノ作りは必須。どの企業もここ数年で舵を切るなか、パタゴニアは30年以上前から取り組み、今もなお続けている。

そんなブランドの歴史ごと愛することで、よりアイテムへの愛着も増す。水澗さんのパタゴニア愛は年々深まるばかりだ。

佐藤ゆたか=写真 菊地 亮=取材・文

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