オーソドックスな美しさを追求する靴作り
安藤さんの靴作りの特徴は、オーソドックスなデザインを徹底的に追求し、丁寧な仕事の積み重ねを大切にすること。この姿勢は、東京での経験と福島での新たな挑戦から生まれたものだ。
「派手なデザインではなく、古くから愛されてきたデザインを作っています。でも、その中でも人とは違う魅力を出すことはできる。制約があるからこそ、無限の可能性があるんです。
例えば、近年カジュアルに履けるデザインの需要が多いので、つま先のシェイプや靴底に都会的なディティールを加えるなど、現代のスタイルに合わせた提案をしています」。
製作プロセスは、顧客との綿密な打ち合わせから始まる。安藤さんは、顧客ひとりひとりのニーズに寄り添いながら、理想の靴を作り上げていく。
「デザインや素材、使用シーンなど、お客様の要望を丁寧にヒアリングします。専門的な知識がなくても大丈夫です。ざっくりとしたイメージから、一緒に理想の靴を作り上げていきます。
例えば、“デニムに合う靴が欲しい”というお客様には、ダービーシューズをベースにして、素材や靴底の雰囲気など、実際に製品サンプルやヴィンテージの革靴をお見せしながらデザインを決めていきます」。
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