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ミニマムEVで紡ぐ令和の立身出世物語は、そろそろクライマックス?

ひとり乗りの電気自動車「ミボット(mibot)」。1980年代のポラロイドカメラをモチーフにした左右対称のデザインはキュートなだけでなく、コスト削減効果もある。

ひとり乗りの電気自動車「ミボット(mibot)」。1980年代のポラロイドカメラをモチーフにした左右対称のデザインはキュートなだけでなく、コスト削減効果もある。


一方、2023年の東京オートサロンで出合った、ひとり乗りのレトロフューチャーな電気自動車も、今年5月に「ミボット(mibot)」という正式名称が発表された。

それまでは「ミニマムモビリティ」と呼ばれていたのだが、2025年の量産販売開始に向けて正式名称を決め、着実に進んでいるようだ。

2023年のオートサロンで披露されていた「ミニマムモビリティ」。

2023年のオートサロンで披露されていた「ミニマムモビリティ」。


この車を作ったのは広島のKGモーターズ。今年に入って同社は試作1台目を完成させ、量産化に向けた各種検証に挑んでいる。

また3月にはENEOSとの協業に関する覚書を締結し、5月には大阪大学大学院基礎工学研究科と自動運転開発に係る共同研究契約を締結した。

まさに一歩ずつ足を進めているのだ。

2023年の東京オートサロンで公募した事前登録モニターは5800件の応募があったそう。

2023年の東京オートサロンで公募した事前登録モニターは5800件の応募があったそう。


実は、最初に出合ったのは2023年ではなく、その1年前、2022年の東京オートサロンだった。

2022年の東京オートサロンでは「T-BOX」という名のひとり乗り電気自動車が展示されていた。

2022年の東京オートサロンでは「T-BOX」という名のひとり乗り電気自動車が展示されていた。


このときはまだ『三丁目の夕日』フレーバーがほんのり漂うオフロード志向の電気自動車だったし、まだ現在の会社も設立前だった。

それから2年。会社が設立され、仲間が集まり、大手企業や大学とタッグを組んだ。同社は2025年の量産&販売を目指している。

満充電での航続可能距離100kmを目標に現在開発が進められている(写真は2024年2月時点)。

満充電での航続可能距離100kmを目標に現在開発が進められている(写真は2024年2月時点)。


2022年の東京オートサロンの記事は「なるか令和の立身出世物語!?」と締めたが、果たして物語のクライマックスは……。

同社の代表取締役CEO 楠 一成さんは1982年生まれのオーシャンズ世代だけに、今後とも物語の行方を追いかけていきたい。

 籠島康弘=文

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