最大充電電力は153kWh。全長4235×全幅1835×全高1550mm 559万円。
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すべての写真を見る スウェーデンの自動車メーカーによる、まったく新しいBEV。それがボルボ「EX30」だ。
日本の交通事情にもマッチするブランド史上最も小さなSUVで、権威のあるレッド・ドット デザイン賞「ベスト・オブ・ザ・ベスト」を受賞したミニマルデザインが魅力。
さらに製造に使用される全アルミニウムの約25%、全スチールの約17%がリサイクル素材。加えて、シートにもリサイクル素材やバイオ素材が採用される。
SDGsへの取り組みも注目の一台を、識者3名はどう分析するのか。
“専用”だから個性が出る
早期から車の電動化にまつわる方針を明確化しているボルボにおいては、既にXC40やC40といったBEVが販売されています。
新たに投入されたEX30の最大の特徴はそれらと異なり、BEV専用のプラットフォームを有していることです。
形状が特徴的に見えるのは、エンジンを納める必要がないぶん前部をコンパクトに、キャビンを大きく採れるから。でも未来的すぎず、保守的な安心感もある。うまいデザインだと思います。
内装も今日のBEVらしく操作系をタッチパネルに格納して要素をミニマルに。
さらにリサイクル材を多用しながらアニマルフリーを実現していたり、ドアスピーカーを廃してダッシュボード上にサウンドバーのように配列することで被膜の使用を抑えたりと、環境的エピソードに事欠かないあたりが北欧風情をいっそう際立てています。
専用プラットフォームゆえ実現できた後輪駆動で、その動力性能は予想を上回るもの。電気自動車ですが、意外にも運転する楽しさが味わえるモデルです。
車格的にも街乗り、ひいては日常生活のアシとして大活躍する車ではあるものの、ちょっと遠くに足を延ばしたい、そんな気にさせるワクワク感も有しています。
| 自動車ライター 渡辺敏史 出版社で自動車/バイク雑誌の編集に携わったあと、独立。自動車誌での執筆量が非常に多いジャーナリストのひとり。車の評価基準は、市井の人の暮らしにとって、いいものかどうか。 |
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