連載「フッチーの釣り日誌」とは…… 釣りに魅せられて10年。釣り女子・フッチーこと渕上万莉さんは、今なおその魅力に取り憑かれている。
そんな彼女が今回おすすめするのはイカ釣り。暑くなるこれからの時季には最高の獲物だという。
案内人はこの方! 渕上万莉(ふちがみまり)●大阪府池田市生まれ。大阪と和歌山を生活拠点に活動。InstagramやYouTubeで趣味の釣りと料理を発信。父親が経営する調理器具貿易代行会社の社員として働き、魚料理に特化した調理器具「FUCHIBITE」のプロデュース、販売も行う。バラエティ番組やローカル番組、BS番組等に出演。サンケイスポーツ新聞やボート雑誌などにも多数寄稿。
釣って楽しい、食べて美味しい♪ 初心者にもおすすめのイカ釣り
こんにちは! “釣って食べて呑む”をモットーに全国の海を飛び回るアングラー、渕上万莉です。
すっかり夏らしい季節になり、昼間はめちゃくちゃ暑いですね! 海の上は太陽と海からの照り返しで、もっと灼熱の夏を感じられます。
今回は、日焼けしたくない、暑いのは苦手……という人にもおすすめな釣りを紹介しますね。
狙うのは食べて美味しい「ケンサキイカ」「スルメイカ」です。
こちらがケンサキイカ。胴の先端が尖っていて剣のように見える。地域によって「マルイカ」「アカイカ」「シロイカ」「マイカ」等、さまざまな呼び方があるが、正式名称は「ケンサキイカ」。柔らかくて甘味があり、釣り物として人気で高級なイカの部類に入る。
こちらがスルメイカ。 獰猛な性格で引きも強い。肝を使った塩辛が美味しいがアニサキスが多いので一度冷凍してから食べるのがおススメ。
地域によって多少釣れる時季やサイズは異なりますが、私は太平洋側なら三重県、和歌山県、日本海側なら福井県、京都府、島根県あたりへ釣りに行きます。
比較的日本海側の方が大きいサイズのイカが釣れることが多いのですが、太平洋側のかわいいサイズは身が柔らかく、甘くて美味しいと言われています。
夕暮れ時の海からの眺めは最高です!
「夜焚き〜ヨダキ〜」と呼ばれる釣り方で、太陽が沈む前に出船し、太陽が沈んだら船のライトを灯します。
ライトにプランクトンが集まり、そのプランクトンを食べに小魚が寄ってくる。そして小魚を食べにイカが寄ってきます。
小魚に見立てた「浮きスッテ」「メタルスッテ」「エギ」というルアーを使い、それを餌だと思って抱きついてきたイカを引っ掛ける釣り方です。
大きく分けて3種類の仕掛けがあります。
① 船の真下をバーチカルに探れる「イカメタル」
いつも愛用しているエギメーカーKEYSTONEのHPより引用。https://keystonebrand.jp/7e8/
② 投げて広範囲を探れる「オモリグ」
いつも愛用しているエギメーカーKEYSTONEのHPより引用。https://keystonebrand.jp/7e8/
③ たくさんルアーを付けて探れる「胴突き」
いつも愛用しているエギメーカーKEYSTONEのHPより引用。https://keystonebrand.jp/7e8/
船の流し方や水深によって有利な仕掛けが変わりますが、私は「イカメタル」仕掛けを使うことが多いです。
釣るポイントは大きく分けて3つ。
まずひとつ目は、誘い方。
船長の指示棚まで仕掛けを落とし、その場でスッテやエギをフワフワさせて小魚を演出します。激しく竿を振ったあと、ピタっと止めてみたり、上からスーーっと落として止めてみたり、その日のアタリパターンを探すのがこの釣りの醍醐味。
そしてもうひとつ重要になってくるのが、ルアーの姿勢とカラー。
海中でグローに光る物もあれば黒いシルエットがくっきりでるカラーもあり、イカが抱きやすいサイズや姿勢もコロコロと変わります。
このメーカーのルアーがよく釣れる!というよりも、その場の状況に合わせていろいろ試してパターンを見つけた人がたくさん釣れる、ということが多いので、それが本当に面白いんです。何十匹単位で釣果に差が出ます。
そして最後は、狙い棚。
イカが群れているときは特に、ある一定の深さにまとまって泳いでいることが多いので、周りの人たちとよくあたる棚(水深)を共有しながら合わせていくのがポイント。
上の方に群れているのに、誰かが底ばかり狙っていると、イカがそれを追いかけて群れがバラバラになり、全体的にまとまりがなくなってしまうことがあるのです。
釣れている棚をほかの人に教えたくないという気持ちもわかりますが、連携プレイでイカを集めた方が最終的に釣果は延ばせると思います。
私は釣り仲間たちと、「今何メートルやった?」と言い合いながら釣りをしています。
釣り仲間で相方のにっしゃんとともに、釣りあげました!
イカがルアーを抱いたら、クッと引っ張られるアタリやフワッと持ち上げられるアタリ、ブルっと竿先が微かに震えるアタリが……そうしたら竿先を素早く上に上げて針に掛けるように合わせます。
ちゃんと針に掛かったらヌーーーンっとイカが引っかかって重みを感じるので、糸のテンションを抜かないようにゆっくりと上げていきます。
このヌーーーンとする瞬間が気持ちよくてクセになる(笑)。
ケンサキイカとスルメイカでは掛かってからの引っ張り方も違い、船に上げるまでもイカとのやりとりを楽しめます。
イカは視力が良く、釣りあげられてからも私たちがよく見えているのか、顔を目がけて墨を吐いてくることがよくあります。
でもこれはイカを釣った勲章‼︎
服にイカ墨がついても、オキシクリーンなどで漬け置きすると、ある程度落とせるので気にしない気にしない(笑)。
ワーキャー言いながら釣るのが楽しいのです!
イカ墨がかかっても気にしません(笑)。
釣ったイカは鮮度が落ちると、だんだん白っぽくなっていきます。
釣ったイカを活かしておく個人生簀がない船もあるので、できれば早めに冷えたクーラーボックスの中に入れてあげましょう。
真水に当てると浸透圧の関係で身がブヨブヨになってしまうため、できるだけ直接氷に当てないようにします。
美味しく新鮮に持ち帰れるようなアルミトレーを使うのもオススメです。クーラーボックスの底に氷を敷き、その上にアルミトレーを置くことで、熱伝導に優れたアルミの性質により満遍なく冷やすことができます。
アルミトレーは、私がプロデュースしている調理器具ブランド「FUCHIBITE」でも販売しています。
鮮度が高いイカは時間が経ってもまだ赤っぽく、細胞が生きているのが目に見えてわかります。
スルメイカにはアニサキスという寄生虫が生息していることが多く、そのまま生で食べると人間のお腹に入り、アニサキスが胃や腸を突き破ろうと噛みちぎるので激痛が襲います。
48時間我慢すれば死滅するらしいですが、大抵の人は痛さに耐えきれず病院に行って内視鏡手術で取り除くことが多いです。
それを防ぐためには、48時間以上冷凍してから食べるのがおすすめです。
アニサキスを目視で発見するための「アニサキスライト」といった道具も、釣り具店などで販売されています。
イカは真水につけずに冷凍すると、約半年は刺身でも美味しくいただけます。もちろん火を通して食べる方法もたくさんあるので、おすすめの料理法を3つ、紹介します!
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