人生で一度きりの「一世一代の芝居」がしたい
「一切の妥協なし」という強い決意を持って、「おいしい給食」をただのグルメドラマから究極のエンターテインメントへと昇華させた。『おいしい給食 Road to イカメシ』では、更に強い使命感を持って全力を注いだ。
「多くのファンの皆様から熱望していただき、続編を創ることができました。その思い応えると共に恩返ししたいという想いで、エールのような作品を作りたいという強い意欲で取り組みました。シーズン3ではこれまで以上に、“人生はやっぱり楽しむべき”というメッセージを込めましたので、多くの方に感じていただきたいです」。
市原は、人生の終わりに「この人生で良かった」と思えるように、現状に満足することなく多くの挑戦に挑み続けた。そこまでして追い求める、俳優としての理想像とは?
「人生で一度きりの『一世一代の芝居』をしたいです。そのために、心を揺さぶる、何度も見返したくなるような演技を追求していきたい。実現するため、自分なりに努力を重ね、必要な場を自ら作り出していきたいですね。
信頼できる撮影班や技術スタッフ、演出、制作陣と共に、世界中のさまざまな状況でも困難を乗り越えて、理想の作品を創り出すことが大きな目標です」。
インタビューを通じて、俳優というよりアスリートと話しているかのように感じた。
その印象を投げかけると、「いつか安心できる日が来るのかなと思いながら、俳優業と向き合っています」とリラックスした表情で語ってくれた。
その挑戦は、「人生で最高の演技をした」と振り返るその日まで、終わりなく続くだろう。
後編では、市原が夢中になっているバイクやカメラなどの趣味について伺う。
市原隼人●1987年2月6日生まれ、神奈川県出身。2001年、映画『リリイ・シュシュのすべて』で主演デビュー。2004年には『偶然にも最悪な少年』で日本アカデミー賞新人賞を受賞。主な主演作品には、映画『ぼくたちと駐在さんの700日戦争』『ボックス!』、ドラマ『ウォーターボーイズ2』『ランナウェイ〜愛する君のために』『ROOKIES』『おいしい給食』シリーズなどがある。近年は、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』、『正直不動産』シリーズ、ミュージカル『生きる』、舞台『中村仲蔵 歌舞伎王国下剋上異聞』などに出演。また、写真家としても活動している。