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口臭の原因の9割は口の病気!

Unsplash

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ーー虫歯はないのに、口臭があると子どもに言われます。これはなぜですか?

口臭の原因は、9割が口の中にあります。自分では気づきにくいものですが、3人に1人の割合で口臭があることがわかっていますので要注意。

口臭には種類がありますが、まず食べ物やニンニク、お酒による口臭。こちらは一時的なものなので、しっかり歯磨きをしてブレスケアをすれば消えます。

ストレスが原因となる場合もありますね。緊張すると、だ液分泌する副交感神経の働きが悪くなり、だ液が少なくなります。俗にいう「緊張して口がカラカラになる」状態です。これが原因で口臭がきつくなるので、口の中をこまめに湿らせるなど、気が付いたときに対応しましょう。

ーーなるほど……。

病的な口臭は、肝臓や腎臓・呼吸器など内臓の病気で起こることもありますが、原因の9割は口の病気です。

むし歯や歯石などで起こる場合もありますが、多くは歯周病によるもので、歯周病菌が口の中のタンパク質を分解して出すガスが原因です。卵の腐ったようなニオイがすることもあり、症状が進むとガムやブレスケアでは効果が薄くなります。

口のケアをあまりしておらず、強い口臭が気になった場合は、歯科医院で歯石除去やクリーニング、歯周病のケアを受けてください。

また病的口臭は、だ液の分泌量や疲れ、ストレスとも関係があります。だ液が出やすくなるよう、よく噛んで食べる、しっかり休みをとるなども心がけると良いでしょう。

知らないうちに進行する歯周病の予防策

Pixabay

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ーー歯周病に罹る原因について教えてください。

歯茎が赤く腫れたり、血が出ることがあるようなら、痛みがなくても歯周病の疑いアリです。

このような出血などが起こるときは、歯茎に炎症があると思われます。この状態を「歯周病」と呼びますが、食べかすなどが口内に残るとネバネバとした細菌の塊ができ、これをプラークと呼びます。

このプラークは粘着力があり、うがいや水ですすぐだけでは落ちないので、日々のハミガキが重要となってきます。そのまま放置しておくと、石灰化して歯石となってしまい、こうなるともう歯科医で除去するしかない状況になります。

ーーそうなる前に自分でケアしておいたほうがいいですね。

そうですね。歯周病はプラークが原因で起こるわけですが、放っておくとどんどん進行します。歯肉炎が進行し、歯周ポケットが深くなるとそこにプラークがさらにたまり、歯肉だけであった炎症が歯の下の骨へと広がり、骨が溶け始めてしまうこともあります。

歯肉から膿が出たり、口臭もきつくなるのですが、「ちょっと血が出るな」くらいの痛みしかないのが、歯周病の恐ろしいところ。重度に歯周病が進行してからの治療では、歯を救えないことも多いので、歯の健診を定期的に受けることが大切です。早めの発見と治療こそが、歯を失わないためには有効なんです。

ーー虫歯の兆候がないと、なかなか歯医者に行かない人が多いと思います。

歯周病はほとんど自覚なく進行しますし、30代からすでに始まっている人も少なくありません。早めの治療が肝心だと言いましたが、そのほかの歯の治療も、早期発見・治療が重要です。

定期的にメンテナンスに通うことで、結果的には治療時間も、生涯の医療費も抑えることができます。「人生100年時代」といわれていますが、奥歯の寿命は51年程度、最も長生きとされる犬歯でも60年程度といわれています。100年生きるとして、その差の40年をどう埋めていくのか。

やはり、それには日頃から自分に合った歯のケアを行いながら、3カ月に1回は定期検診を受けることでしょう。これだけでも、歯の寿命は少しずつのびていきます。

ーー歯医者に行くべき兆候とはどんなことでしょうか。
●やや黄色信号
急ぎはしませんが、歯医者に行きましょう!目安は1か月以内です。

□歯がないところがある
□半年以上クリーニングを受けていない
□ハミガキしたら出血する

●黄色信号
以下に該当する場合は、歯科医に行きましょう。目安は1週間以内です。

□冷たいものがしみる
□口から匂いがする
□食べた後に物がよく詰まる、歯が欠けた
□詰め物、かぶせモノがとれた
□顎からカクカク音がする
□歯茎が腫れている気がする
□治療中の歯がある

●赤信号
忙しくても、急いで歯科医に行きましょう。放っておくと大変なことになる項目です。

□何もしなくてもズキズキする
□放っておいても出血する
□歯がぐらぐらする
□熱いものがしみる
□かんだら痛い


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