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ハミガキ剤は目的別に使い分けるべし!

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ーー健康な歯をキープするために、歯科クリニックではどんなことができますか?

一般的な定期健診では、
・むし歯のチェック
・詰め物やかぶせモノが壊れたりかけていないか
・かみ合わせがしっかりできているか
・歯周病の兆候はないか(チェックとクリーニング)
・差し歯や入れ歯のチェック
・レントゲン検査や唾液検査
さらに、自分では難しい歯のクリーニングなども行います。それらによって歯の健康だけでなく、さまざまな全身の病気のリスクを下げることができます。

当院ではハミガキや食生活の指導もおこなっています。ハミガキや日々のケアで気になることがあれば、気軽に定期健診で歯科医に尋ねてみてください。

ーーハミガキ粉は家族で同じものを使っていますが、ダメなんでしょうか?

ハミガキ剤は、年齢や口内状況によって使用目的が変わってきます。

虫歯予防なら高濃度のフッ化物がおすすめ。フッ化物によって再石灰化を促したり、プラークの中の細菌野活動を抑える効果が期待できます。ただ、強すぎる研磨剤が入っている場合には歯の表面のエナメル質を傷つけ、知覚過敏になってしまうことがあるので、気を付けましょう。 

歯周病予防には、抗炎症成分や血行促進作用があるもの、殺菌力の強いものがおすすめ。裏の成分表示をチェックしましょう。

ホワイトニングと表示のあるものは、歯の着色汚れを落とすもので、歯本来の色を取り戻せます。「歯をしっかり白くしたい」という場合には、歯科医院でのホワイトニングが効果的。

歯周病や加齢などで、歯茎がやせ、歯根が露出してきた人には、歯根部のケア用を。研磨剤の入っていないジェルタイプがおすすめです。また、歯根は虫歯になりやすいので、高濃度のフッ化物が入っているものを選びましょう。

ハミガキ剤の量も、年齢によって適量が異なります。生後6カ月~2歳は切ったツメ程度、3~5歳なら米粒2粒、6~14歳ならグリーンピース1粒程度、15歳以上ならグリーンピース2粒程度が目安です。家族それぞれの年齢や、口の中の状態に合わせて、歯磨き剤も1人1本ずつ揃えたいものですね。

裏の成分表示だけではわかりにくいと思うので、ぜひ気軽に歯科医院でどれが自分に合っているか聞いてもらいたいものです。

ーーデンタルフロスは使った方がいいんですか?

デンタルフロスは、歯のスキマの汚れをとるのではなく、歯の表面についたプラークをとるのが目的です。デンタルフロスの角度を変えながら、歯の表面をこするようにして、プラークをはぎとるようにしましょう。
●使い方
まずフロスを40cmほど切り、両端を両手の中指に数回巻きつけます。指と指の間が10~15cm程度が良いでしょう。親指や人差し指で、デンタルフロスを歯のスキマに差し込んだら、歯の表面をこするように動かします。次の歯をこするときは、フロスの使用した部分をずらして、新しい部分を使いましょう。フロスには目に見えない細菌がついているので、常に糸の新しい部分を使うように気を付けてください。

歯の寿命が50年ならば、30~40代はまさに今すぐ意識的なケアを始めるべきタイミング。歯を守るだけでなく、病気のリスクの軽減にもつながるので、まずは毎日のハミガキ習慣から見直していこう。

アントレース、黒木博子(smile editors)=取材・文

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