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すべての写真を見る 子どもの頃から同じ方法でハミガキをしている人、ちょっとヤバいかも……。
実は年齢とともに歯の状況は変わり、それに伴って磨き方も変えていかないと口内環境が悪化する可能性があるのだとか。
今回は、エンパシーデンタルクリニック院長の魚田真弘先生に健康的な歯をキープし続けるためのケア方法についてお聞きした。
聞いたのはこの人! 魚田真弘さん●エンパシーデンタルクリニック院長。歯1本単位ではなく、口全体と顔面、全身との調和を目指した「全体治療」に力を注ぐ。著書に『人生100年時代 歯を長持ちさせる鉄則』(クロスメディア・パブリッシング)など。
年齢や口の状態に合わせてハミガキ方法を変えると効果倍増!
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ーー歯や口の不調をそのままにしておくと、将来どんなことが起こるんですか? 日本人が歯を失う原因の1位は「歯周病」です。かなり進行しても自覚症状が出ないので、知らないうちに進行しているケースが多く、30代の3人に2人が歯周病ともいわてます
(※1)。
それがもとで、さまざまな不調・病気を引き起こすことが近年わかっています。
歯周病の原因は、歯垢といわれる細菌。この細菌と闘うために、口の中に炎症が起こります。この歯周病原因菌などが血管を通じて体内に流れることで、さまざまな病気の原因となりうるんですね。
たとえば、歯周病菌の刺激によって、動脈硬化を誘導する物質が血管内にでき、動脈硬化や心筋梗塞のリスクが上がることもあります。
脳の血管を刺激すれば脳梗塞を、全身の血管に侵入すると血糖値コントロールに悪影響を及ぼすといわれています。さらに、歯周病になると、糖尿病の症状が悪化する可能性もあると強く疑われています
(※2)。
このように、歯周病の影響は口の中だけには収まりません。口の健康を放置することは、全身の健康、ひいては人生にも大きく影響するのです
※1「平成28年歯科疾患実態調査(厚生労働省)」による※2「平成19年国民健康・栄養調査より」 ーーちゃんとハミガキしていれば大丈夫ですか……? 子供の頃と同じ方法ではダメです。子供の頃は永久歯や親知らずがなかったように、子供の頃と大人になった今では、口内環境はまるで違います。
また、40代以降は歯茎が下がってきたり、歯のスキマが空いてくることも少なくありません。年齢や口内の状態によって、ハミガキ方法を変えていくのがベストです。
特に40代以降は、歯の間の汚れを取れる歯間ブラシやデンタルフロスなどの使用をおすすめします。歯茎が引き締まっている人や子どもなどは、歯間ブラシは入りにくいので、フロスを使うようにしましょう。
歯の根元に三角形のスキマが空いてきたら歯間ブラシを選ぶなど、それぞれの口内状況に合わせたハミガキを実践しましょう。歯が重なって生えているところがあったり、磨きにくいところがある場合には、小さくて軽量の「ワンタクトブラシ」を使うのもおすすめです。
ーー歯ブラシ以外にもいろんなアイテムを駆使したほうがいいんですね。 そうですね。ハブラシをダメになるまで使うという人もいますが、ハブラシの寿命は結構短いので、1カ月に1回は変えた方が良いでしょう。
気づかないうちに歯の状況が悪化し、歯を失う人はとても多いんです。またあとで説明しますが、歯磨き剤もずっと同じモノをつかっている人も多いですが、こちらも年齢や口内状態に合わせて変えると効果が全く違いますよ。
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