肥満に悩んでいる人であれば、できるだけ楽に体重を落として、毎日を健やかに過ごしたいと考えているだろう。
今回は、“食養生”の考え方を取り入れたダイエット法で、10kgの減量に成功した漢方家の櫻井大典さんに、食養生の基本や自らの体型に合ったダイエット法の探し方をうかがった。
何やら食養生で重要なのは、「肥甘厚味(ひかんこうみ)」を避けることらしいが、それって一体……?
話を聞いたのはこの人! 櫻井大典さん●漢方家。アメリカ・カリフォルニア州立大学で心理学や代替医療を学び、帰国後、イスクラ中医薬研修塾で中医学を学ぶ。国際中医専門員A級資格取得。日本中医薬研究会に所属し、定期的に漢方セミナーを開催。SNSで日々発信する養生情報は、これまでの漢方のイメージを払拭し、老若男女を問わず新たな漢方ユーザーを増やしている。著書に『まいにち漢方―体と心をいたわる365のコツ』(ナツメ社)、『漢方的おうち健診-顔をみるだけで不調と養生法がわかる』(学研)など多数。
価値観を変えた「君は食事を冒涜している」という言葉
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ーーまず、食養生の基本について教えてください。 食養生とは、健康体で生活するために、何をどのように食べれば良いのか、毎日の食事から考えることです。髪の毛1本から爪の先まで、体はすべて食べた物から作られています。そのため、毎日何を食べるのかは非常に重要なのです。
ただ単に食事を我慢するのではなく、好きなものを食べたいときに食べても、びくともしない体作りが食養生です。
ーー食養生で、−10kgのダイエットに成功したそうですが、食事に対する姿勢が変わったキッカケは何だったのでしょう? 当時の先生(中国の漢方医)に、「君は食事を冒涜している」と言われたことです。目の前の食材を育ててくれた人や、運んでくれた人、調理してくれた人のことを一切考えずに、食事を無駄に摂っているといわれて、確かに無駄が多いと気付いたんです。
ーーどのようにしてダイエットに成功したんですか? 特に珍しいダイエット法を実践したわけではありません。シンプルに食事の無駄を極力無くしました。
大切なのは、お腹が空いている時間を怖がらないことです。30〜40代男性の中には、お腹が空いたらすぐに何かを食べる人もいるかと思いますが、これはおすすめしません。
お腹が空いているのは、胃腸が休んでいる証拠です。1日中お腹が膨れているのは、胃腸が常に動いているサインなので、ブラック企業のような状態になっています。
私も以前の食生活は、朝に菓子パンと甘いコーヒーを飲んで、昼と夜は高カロリーの揚げ物やお酒をたくさん摂取する毎日でした。
改善方法として、私の場合は仕事の開始が10時だったので、朝にあまりエネルギーを必要としませんでした。そのため、朝は菓子パンと甘いコーヒーから、ミニトマトと紅茶(はちみつ入り)に変更。昼食は、おにぎりと葉野菜のおひたし、ゆで卵です。
夜は20時までに食事を終わらせることを意識しましたが、我慢せずに好きなものを食べていました。
食事の無駄を極力なくす意識を持つだけで、食べる量や食材に変化が生まれます。このような生活を1年程続けたら、いつの間にか-10kgのダイエットに成功していました。
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